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絵はがきで見る日本近代

著:富田 昭次

紙版

内容紹介

文明開化、県名・県域の確定、路面電車・地下鉄の開通、博覧会、関東大震災、豪華客船と観光、2・26事件、明治・大正天皇の死去、満州国「建国」、太平洋戦争、広島と長崎の惨劇……。当時のニューメディア=絵はがき326枚が日本近代の諸相を照らし出す。

目次

まえがき

ペリー提督、来航す──一八五三年(嘉永六年)七月
和泉要助ら人力車の製造・営業許可を得る──一八七〇年(明治三年)三月
「新式」郵便制度が始まる──一八七一年(明治四年)三月
造幣寮が大阪で開業──一九七一年(明治四年)四月
陸軍省と海軍省が発足──一八七二年(明治五年)二月
新橋と横浜をわずか五十三分で結ぶ鉄道が開通──一八七二年(明治五年)九月
天皇着用の軍服が定められる──一八七三年(明治六年)六月
西洋文化流入の窓口、グランドホテルが開業──一八七三年(明治六年)九月
新三法発布で、東京府は十五区六郡に──一八七八年(明治十一年)七月

[特集] 県名・県域が確定し、地方自治が確立される

参謀本部が創設される──一八七八年(明治十一年)十二月
札幌の行在所・豊平館が完成──一八八〇年(明治十三年)十一月
軍事博物館・遊就館が靖国神社内に開館──一八八二年(明治十五年)二月
初の国立博物館、東京・上野に本館を完成──一八八二年(明治十五年)三月
日本銀行、創設される──一八八二年(明治十五年)十月
東洋一の造船所・三菱長崎造船所が発足──一八八四年(明治十七年)七月
日本一の貿易港に横浜税関、威容を現す──一八八五年(明治十八年)十一月
最高学府・帝国大学が誕生──一八八六年(明治十九年)三月
師範学校令が制定され、高等師範学校が誕生──一八八六年(明治十九年)四月
避暑地としての軽井沢が発見される──一八八六年(明治十九年)七月
日本赤十字社が設立される──一八八七年(明治二十年)五月
国家・皇室の行事の舞台、和洋折衷の明治宮殿が完成──一八八八年(明治二十一年)十月
巨大鉄橋・天神橋が開通──一八八八年(明治二十一年)十二月

[特集] 木橋から鉄橋・石造橋へと橋梁も近代化

歌舞伎座、開場──一八八九年(明治二十二年)十一月
明治天皇の「御真影」、高等小学校にも下付──一八八九年(明治二十二年)十二月
京都─大津間に琵琶湖疏水が完成──一八九〇年(明治二十三年)四月
仮議事堂で第一回帝国議会が招集される──一八九〇年(明治二十三年)十一月
浅草に超高層の凌雲閣が完成──一八九〇年(明治二十三年)十一月

[特集] 盛り場に大衆文化、花開く

日本登山の父ウェストンが日本アルプスに入山──一八九一年(明治二十四年)七月
銅像の先駆け・大村益次郎像、靖国神社に建つ──一八九三年(明治二十六年)二月
難所の碓氷峠、アーチ橋上にアプト式鉄道が走る──一八九三年(明治二十六年)四月
広島に大本営が設置される──一八九四年(明治二十七年)九月
三菱一号館落成でオフィス街の開発始まる──一八九四年(明治二十七年)十二月
初の路面電車が京都で営業開始──一八九五年(明治二十八年)二月

[特集] 路面電車、発展する街の中心部を駆け抜ける

日清講和会議が下関・春帆楼で開かれる──一八九五年(明治二十八年)三月
官庁集中計画で司法省に次ぎ大審院が完成──一八九六年(明治二十九年)十月
トラピスト修道院、創立される──一八九六年(明治二十九年)十一月
台湾民衆皇民化政策の一環で台湾神社造営──一八九八年(明治三十一年)十月

[特集] 植民地に神社を相次いで創建

東京一の勧工場・帝国博品館が開業──一八九九年(明治三十二年)十月
初の私設図書館・南葵文庫が開館──一八九九年(明治三十二年)十二月

[特集] 図書館、知の基盤を築く

町中に自働電話ボックス、現る──一九〇〇年(明治三十三年)十月
官営八幡製鉄所が操業を開始──一九〇一年(明治三十四年)二月
田中正造が天皇に足尾鉱毒汚染を直訴──一九〇一年(明治三十四年)十二月
初の私大、早稲田大学が開校──一九〇二年(明治三十五年)九月
日本人の手になる最高の灯台、出雲日御碕灯台が点灯す──一九〇三年(明治三十六年)四月
初のゴルフクラブ・神戸ゴルフ倶楽部が発足──一九〇三年(明治三十六年)五月
東郷平八郎が連合艦隊司令長官に抜擢される──一九〇三年(明治三十六年)十二月
広瀬中佐が旅順で壮烈な戦死、軍神となる──一九〇四年(明治三十七年)三月

[特集] 日露戦争・旅順攻略

三越がデパートメントストア宣言──一九〇四年(明治三十七年)十二月

[特集] 消費文化の殿堂・デパートが発展

日本が満州の一大財源・撫順炭鉱を支配下に──一九〇五年(明治三十八年)三月
日比谷公園の音楽堂が西洋音楽普及にひと役──一九〇五年(明治三十八年)八月
南樺太が日本の領土に──一九〇五年(明治三十八年)九月

[特集] 東京に凱旋門が続々お目見え──一九〇五年(明治三十八年)十月

生糸王・原富太郎が横浜に大庭園を造成──一九〇六年(明治三十九年)五月
南満州鉄道、創立──一九〇六年(明治三十九年)十一月

[特集] 新天地として注目された満州

宮武外骨が、人気の「絵葉書世界」を創刊──一九〇七年(明治四十年)五月
初の豪華客船・天洋丸が竣工──一九〇八年(明治四十一年)四月

[特集] 客船の黄金時代が到来

諏訪湖が近代スケートのメッカとなる──一九〇九年(明治四十二年)二月
日本西洋建築の粋、東宮御所が完成──一九〇九年(明治四十二年)六月
鉄骨の大ドーム空間、国技館が両国に誕生──一九〇九年(明治四十二年)六月
日本の生糸生産高が世界一となる──一九〇九年(明治四十二年)十二月

[特集] 日本が韓国を併合──一九一〇年(明治四十三年)八月

のちの校庭の象徴、二宮金次郎像初お目見え──一九一〇年(明治四十三年)九月
レルヒ少佐がスキー術を伝授──一九一一年(明治四十四年)一月
帝国劇場の柿落とし公演が満員盛況──一九一一年(明治四十四年)三月
諸街道の起点・日本橋が威厳ある石造橋に衣替え──一九一一年(明治四十四年)四月
大阪府が全国に先駆けて消防自動車を導入──一九一一年(明治四十四年)六月

[特集] 探検家・菅野力夫が世界旅行に旅立つ──一九一一年(明治四十四年)九月

ジャパン・ツーリスト・ビューロー創立──一九一二年(明治四十五年)三月
高さ日本一の大鉄橋完成、山陰本線が全通──一九一二年(明治四十五年)三月
大阪に通天閣、そびえ立つ──一九一二年(明治四十五年)七月

[特集] 明治天皇、死去──一九一二年(明治四十五年)七月

[特集] 乃木大将夫妻、衝撃の殉死──一九一二年(大正元年)九月

桜島が大噴火して大隅半島と地続きに──一九一四年(大正三年)一月
本邦初、エスカレーター登場の博覧会が開催──一九一四年(大正三年)三月

[特集] 技術の進歩を楽しく見せた博覧会

[特集] 女性だけの劇団、宝塚少女歌劇が始まる──一九一四年(大正三年)四月

野口英世、ロックフェラー医学研究所の正員に昇格──一九一四年(大正三年)十一月
東洋一の大停車場・東京駅が開業──一九一四年(大正三年)十二月

[特集] 都市の玄関口・駅舎はわが街の誇り

広島商品陳列所(のちの原爆ドーム)が開館──一九一五年(大正四年)八月
鳥人スミス、日本の空を飛ぶ──一九一六年(大正五年)四月
私立美術館の草分け・大倉集古館が開館──一九一七年(大正六年)八月
初のケーブルカーが生駒山で営業開始──一九一八年(大正七年)八月
相場師の寄付で大阪市中央公会堂が完成──一九一八年(大正七年)十一月
満鉄の鞍山製鉄所が操業開始──一九一九年(大正八年)四月
惨劇「尼港事件」起きる──一九二〇年(大正九年)三月
国勢調査始まる──一九二〇年(大正九年)十月
明治神宮が造営される──一九二〇年(大正九年)十一月
世界最大最強の巨艦・長門完成──一九二〇年(大正九年)十一月
皇太子裕仁親王が訪欧──一九二一年(大正十年)三月
鉄道開業五十周年を迎える──一九二一年(大正十年)十月
権力者・山県有朋死去、もう一つの明治が終焉──一九二二年(大正十一年)二月
文化住宅の拠点、目白文化村の分譲始まる──一九二二年(大正十一年)六月
東洋一のオフィスビル・丸ビルが竣工──一九二三年(大正十二年)二月
オペラ歌手・藤原義江の帰朝公演が大成功──一九二三年(大正十二年)五月
名建築家ライト設計の帝国ホテルが完成──?一九二三年(大正十二年)八月

[特集] 関東大震災で首都壊滅──一九二三年(大正十二年)九月

皇太子結婚で、全国が奉祝ムードに酔う──一九二四年(大正十三年)六月
ラジオ放送が始まる──一九二五年(大正十四年)三月
明治神宮外苑、広大な敷地に施設の全容を現す──一九二六年(大正十五年)十月

[特集] 大正天皇、死去──一九二六年(大正十五年)十二月

初の地下鉄が上野─浅草間で開業──一九二七年(昭和二年)十二月
天皇裕仁の即位大礼、挙行される──一九二八年(昭和三年)十一月
ラジオ体操始まる──一九二八年(昭和三年)十一月
島崎藤村、大作『夜明け前』の連載を開始──一九二九年(昭和四年)四月
航空郵便制度始まる──一九二九年(昭和四年)四月
音楽・芸能の殿堂、日比谷公会堂が開館──一九二九年(昭和四年)十月
超特急つばめが東京─神戸間を九時間で疾走──一九三〇年(昭和五年)十月
羽田空港が開港──一九三一年(昭和六年)八月
東洋一の清水トンネル開通──一九三一年(昭和六年)九月

[特集] 昭和の竜宮殿・目黒雅叙園が開業──一九三一年(昭和六年)十一月

肉弾三勇士、上海に散る──一九三二年(昭和七年)二月
関東軍の計略で満州国が建国される──一九三二年(昭和七年)三月
五・一五事件で犬養首相、暗殺される──一九三二年(昭和七年)五月
世界第二の都市「大東京」誕生──一九三二年(昭和七年)十月
ブームの先陣を切って上高地帝国ホテル開業──一九三三年(昭和八年)十月

[特集] 進取の精神に富むホテルが外国人旅行者をもてなす

函館、大火で甚大な被害──一九三四年(昭和九年)三月
帝冠様式の代表格、軍人会館竣工──一九三四年(昭和九年)三月
二・二六事件の反乱軍が山王ホテルに立てこもる──一九三六年(昭和十一年)二月
国会議事堂が完成──一九三六年(昭和十一年)十一月
神風号の空前の記録に、日本列島沸く──一九三七年(昭和十二年)四月
支那事変勃発、日中、全面戦争に──一九三七年(昭和十二年)七月
阪神地方、大水害に襲われる──一九三八年(昭和十三年)七月
ニッポン号、世界一周飛行を達成──一九三九年(昭和十四年)十月
紀元二千六百年で、花電車走る──一九四〇年(昭和十五年)十一月

[特集] 花電車、帝都を彩る

李香蘭人気、頂点に達す──一九四一年(昭和十六年)二月
シンガポール陥落──一九四二年(昭和十七年)二月
広島と長崎に原爆炸裂──一九四五年(昭和二十年)八月
第一生命館にGHQ(連合国総司令部)開設される──一九四五年(昭和二十年)九月

主要参考文献

あとがき

著者略歴

著:富田 昭次
1954年、東京都生まれ。ホテル専門誌の編集長をへて、ホテル・旅行作家として活躍。著書に『ホテルと日本近代』(青弓社)、『東京のホテル』(光文社)、『ノスタルジック・ホテル物語』(平凡社)、『東京ヒルトンホテル物語』(オータパブリケイションズ)ほか。

ISBN:9784787220165
出版社:青弓社
判型:A5
ページ数:268ページ
定価:2000円(本体)
発行年月日:2005年06月
発売日:2005年06月24日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ