メルロ=ポンティの美学
芸術と同時性
著:川瀬 智之
紙版
内容紹介
メルロ=ポンティの美術論・芸術論を導きの糸に、「奥行き」や「同時性」という概念に着目して主要なテクストを緻密に読み解き、2つの概念の絡み合いを彼の思想に位置づけ直す。美学や芸術の領域にも越境する彼の哲学の深奥とポテンシャルを指し示す。
目次
まえがき
凡例
序
第1章 『行動の構造』『知覚の現象学』での奥行きと同時性
1 空間的な奥行きの知覚
2 過去としての奥行き
第2章 制度論での奥行きと同時性
1 感情の制度
2 絵画の制度
3 言語の制度
第3章 〈自然〉〈存在〉の思想史講義での現在と過去の関係
1 シェリングの「野生の原理」
2 ベルクソンにおける「開かれた記録簿」
3 ハイデッガーの存在概念と「開かれた記録簿」
第4章 肉の概念と知覚における想像的なもの
1 「眼と精神」での奥行きと同時性
2 肉の概念
3 視覚の成立――反響と想像的なもの
第5章 〈存在〉の概念と奥行き、同時性
1 知覚における理念
2 〈存在〉の概念
3 〈存在〉における奥行き
4 〈存在〉における志向性
補 論 メルロ゠ポンティの美術論――奥行きと運動における同時性
1 ドローネー、ロダンの美術論とメルロ゠ポンティ
2 『知覚の現象学』での奥行きと運動の時間性
3 メルロ゠ポンティの美術論における同時性
結論
初出一覧
参考文献
あとがき
事項索引
人名索引