荒野のおおかみ
押井守論
著:上野 俊哉
紙版
内容紹介
押井守は「大戦間期」あるいは「戦争と戦争の間の時期」の作家ではないか――。この刺激的な仮説のもとに押井監督の作品群をあらためて見つめ、読み込む。閉塞する現実、滅びゆく日本の社会と文化に「抜けない棘」のようにはたらきかける批評の挑発。
目次
序章 犬と狼の間で
第1章 アニメとしての映画、映画としてのアニメ――「作家」も「ジャンル」も投げ捨てろ
1 世界を絵コンテとして見る
2 安易な映画的引用を拒否
3 押井守が提示している“謎の構造”
第2章 アニメ的オートマトン――息を吹き込まれた自動機械/人形としてのアニメ
1 問題設定
2 アニメでの無分節的なもの
3 「天上遊行」と神話創成の力
4 無意識のアーカイブ/倉庫としての「アラヤ識」
5 顔の諸問題
6 水面/鏡面と結晶(クリスタル)化の諸問題
第3章 犬人は狼男の夢を見ない
1 犬人という形象
2 リトリーブの政治学
第4章 転回のメタルスーツ
1 戦後日本とサブカルチャー
2 ファシズムとメタル/メディア・スーツ
3 腐食する言葉の鎧
4 転向/転回の想像力
5 偽史への転回
第5章 荒野のおおかみ
1 Born to be Wild
2 魔術劇場としての世界
資料1 押井守監督作品・著書リスト
資料2 本書中に登場したテレビアニメなどの作品リスト
あとがき
ISBN:9784787210517
。出版社:青弓社
。判型:A5
。ページ数:200ページ
。定価:2800円(本体)
。発行年月日:2015年05月
。発売日:2015年05月20日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:ATF。