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新・生命科学シリーズ

ゼブラフィッシュの発生遺伝学

著:弥益 恭

紙版

内容紹介

 ゼブラフィッシュというモデル動物が発生生物学のみならず、生物科学における不可欠のプレーヤーになって久しい。
 本書は、ゼブラフィッシュについて、基本的知識、実際的な研究手法を紹介した上で、これまで最も成果を挙げてきた神経発生や、心臓・血管系の発生の分野について、最新の知見までを丁寧に解説する。最後の章では、医療・創薬分野で期待される疾患モデルとしてゼブラフィッシュに焦点を当てる。
 独創的、先端的な研究者を志す意欲的な若者が読むことで、ゼブラフィッシュについてより詳しく知り、この動物をモデルとした生物科学分野に参入するきっかけになるであろう。

目次

1.ゼブラフィッシュ -脊椎動物発生研究における優れたモデル-
 1.1 脊椎動物への発生遺伝学の導入
 1.2 ゼブラフィッシュとは
 1.3 ゼブラフィッシュシステムでの課題
 1.4 ゼブラフィッシュの発生
 1.5 ゼブラフィッシュの交配と採卵
 1.6 ゼブラフィッシュ胚の観察
 1.7 研究リソース

2.ゼブラフィッシュにおける変異体作製
 2.1 突然変異の導入と変異体スクリーニング
 2.2 スクリーニングのストラテジー
 2.3 特殊なストラテジーに基づくスクリーニング
 2.4 原因遺伝子の同定:ポジショナルクローニング
 2.5 表現型解析-遺伝子機能の検討-
 2.6 ゼブラフィッシュ順遺伝学の課題

3.様々な発生遺伝学的研究手法
 3.1 基本的な胚操作技術
 3.2 個体レベルでの遺伝子操作
 3.3 個体レベルでの転写制御の研究
 3.4 発生における遺伝子の機能解析
 3.5 バイオイメージングとゼブラフィッシュ
 3.6  個体レベルでの細胞機能の操作
 3.7 今後の課題

4.ゼブラフィッシュ胚での脳神経系の発生
 4.1 神経誘導と神経細胞の分化
 4.2 中枢神経系のパターン形成と領域化
 4.3 発生初期の神経発生と逃避反応
 4.4 ゼブラフィッシュ脳の構造,機能,そしてその発生
 4.5 末梢神経系の発生

5.ゼブラフィッシュにおける脳神経系の機能とその発達
 5.1 感覚系
 5.2 運動制御系と統合センター
 5.3 モノアミン作動性ニューロンによる制御系
 5.4 情動と認知
 5.5 神経系の可塑性

6.ゼブラフィッシュにおける心臓血管系の発生遺伝学
 6.1 ゼブラフィッシュでの心臓血管系の発生
 6.2 ゼブラフィッシュ心臓血管系の発生変異体スクリーニング
 6.3 内皮細胞の分化と血管形成
 6.4 ゼブラフィッシュ心臓血管系の再生

7.疾患研究モデルとしてのゼブラフィッシュ
 7.1 先天性疾患のゼブラフィッシュモデル
 7.2 後天性疾患のゼブラフィッシュモデル
 7.3 創薬とゼブラフィッシュ

別表
参考文献・引用文献
索引

著者略歴

著:弥益 恭
埼玉大学教授、理学博士。1959年 山口県生まれ。東京大学理学部卒業、東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。帝京大学助手、埼玉大学助手・助教授を経て現職。

ISBN:9784785358648
出版社:裳華房
判型:A5
ページ数:210ページ
定価:2600円(本体)
発行年月日:2015年09月
発売日:2015年09月25日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PSV