出版社を探す

外来生物

生物多様性と人間社会への影響

著:西川 潮
著:宮下 直

紙版

内容紹介

 外来種問題は、生物と環境の関わり方をさまざまな時間的・空間的な広がりのなかで捉えることでその構造を解き明かすことができる。これは自然科学だけでなく、人びとの意思決定に関わる社会科学の問題に関しても同様である。本書の目的は、自然科学と社会科学の双方の視点から外来種問題を捉え、外来種が生物多様性と人間社会にもたらす影響を考察することにある。これは、いままで国内外で出版されてきた書籍にはない斬新な試みといえる。
 本書には、やや専門的な内容も含まれているが、類書にはない最新の研究成果や斬新な視点が随所に盛り込まれている。外来種問題に関心のある学生、一般人、そして専門家にいたる幅広い読者層の方々にそれぞれの立場から楽しんでいただけることだろう。

目次

第1編 外来種が生物多様性にもたらす影響
 1.遺伝子浸透 -遺伝的乗っ取りのメカニズム-
 2.外来植物による生態系改変とその影響 -機能形質に着目したアプローチ-
 3.外来植物と植食性昆虫の相互作用と適応進化
 4.外来捕食者の駆除と中位捕食者の解放 -その発生機構と生態系の復元戦略-
 5.外来種同士の相互作用と在来種の進化適応
 6.すぐに増える,ゆっくり増える,やがて消える? -外来種がもたらす影響の時間変化とそのしくみ-
第2編 外来種が人間社会にもたらす影響
 7.侵略的外来昆虫が農林業へ与える経済被害とその対策
 8.水産業における外来種の利用と被害
 9.在来種と外来種の管理に対する人びとの意識
 10.外来種の管理に対する人びとの支払意志額
 11.ローカルな「問題化の過程」と「外来種問題」 -地域特性と歴史的文脈を踏まえた政策的取り組み-
第3編 生態系と人間社会のつながりを考える
 12.外来種の適正管理に向けた総合的な取り組みへ

著者略歴

著:西川 潮
金沢大学准教授、Ph.D. 1969年 東京都生まれ。北海道大学水産学部卒業、ニュージーランド国オタゴ大学動物学研究科Ph.D課程修了。コロラド州立大学客員研究員、国立環境研究所研究員、新潟大学准教授等を経て現職。
著:宮下 直
東京大学教授、博士(農学)。1961年 長野県生まれ。東京大学大学院農学系研究科修士課程修了。東京大学助教授・准教授等を経て現職。

ISBN:9784785358488
出版社:裳華房
判型:A5
ページ数:296ページ
定価:3200円(本体)
発行年月日:2011年10月
発売日:2011年10月20日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:RGM