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シリーズ・生命の神秘と不思議

昆虫たちのすごい筋肉

1秒に1000回羽ばたく虫もいる

著:岩本 裕之

紙版

内容紹介

 昆虫の中でも、小型の蚊には1秒間に1000回も羽ばたけるものがいます。なぜこれほど速く羽ばたけるのでしょうか。その秘密は、昆虫のもつ特殊な筋肉にあります。
 本書では、まず、筋肉がどのような構造をもっているのか、どのようにして力を出すのかという基本的な話から始めて、人間の筋肉と昆虫の筋肉の共通点、相違点を明らかにします。そのうえで、さまざまな実例を織り交ぜ、高機能な昆虫の筋肉の秘密をやさしく解説し、昆虫たちのもつ優れた能力に迫ります。

目次

1.昆虫はすごい能力の持ち主だ

2.まずは人間の筋肉を知る
 2.1 人間の筋肉の種類と使い分け:骨格筋・心筋・内臓筋
 2.2 骨格筋(横紋筋)のつくりと働き

3.筋肉をつくっているタンパク質とは
 3.1 骨格筋をつくるタンパク質:タンパク質とは何か
 3.2 タンパク質の種類
 3.3 筋肉の主要なタンパク質

4.骨格筋は,どうやって縮んだり緩んだりするか?
 4.1 筋肉の収縮―弛緩サイクルとは?
 4.2 速い筋肉,力強い筋肉

5.昆虫の筋肉は全部横紋筋だ
 5.1 筋肉をもつ動物の進化
 5.2 横紋筋がメインの動物は限られている

6.高機能の羽ばたきの秘密
 6.1 昆虫が羽ばたくしくみ
 6.2 同期型飛翔筋と非同期型飛翔筋

7.X線で非同期型飛翔筋の構造を調べる
 7.1 X線回折法の原理
 7.2 X線結晶構造解析
 7.3 X線繊維回折法
 7.4 昆虫の非同期型飛翔筋にX線を当てるとどうなるか
 7.5 1本の筋原繊維だけにX線を当てるとどうなるか

8.羽ばたき中の飛翔筋内の分子の動きを探る
 8.1 X線回折法に関係する技術の進歩
 8.2 「伸張による活性化」のしくみに関する従来の説
 8.3 生きて,羽ばたいているハチの飛翔筋からX線回折像を撮る

9.昆虫の筋肉は体温調節にも使われる
 9.1 ハチは恒温動物だ
 9.2 冬に飛ぶ蛾の話

10.昆虫の筋肉は鳴くためにも使われる
 10.1 鳴く虫はどうやって音を出すか
 10.2 ヨコバイだって鳴く
 10.3 妨害音波を出してコウモリをかわす蛾

11.アリ -小さな体に秘められたパワー-
 11.1 筋肉の収縮より速い動きをどうやってつくり出すか
 11.2 動物の力と体の大きさの関係

著者略歴

著:岩本 裕之
高輝度光科学研究センター、神戸大学客員教授(兼任)、理学博士。

ISBN:9784785351281
出版社:裳華房
判型:4-6
ページ数:184ページ
定価:1400円(本体)
発行年月日:2019年07月
発売日:2019年07月02日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PSVA2