裳華房テキストシリーズ-物理学
素粒子物理学
著:原 康夫
内容紹介
おおむね素粒子物理学の発展の歴史に沿って、素粒子の世界の見方と考え方の発展を追うように執筆された、素粒子物理学の入門書。力学・電磁気学・量子力学の初等的な知識のみで読み通せるように、難しい数式の使用はできる限り避けた。
知的好奇心にあふれた多くの方々に素粒子の世界を紹介し、素粒子に親しんでもらいたいという著者の気持ちが込められた一冊である。
目次
1.はじめに
1.1 素粒子物理学の誕生と発展
1.2 素粒子の分類
1.3 素粒子の基本的な相互作用
1.4 素粒子物理学とは
2.素粒子の特徴 -粒子性と波動性-
2.1 粒子でもあり,波でもある素粒子
2.2 ミクロな世界の自然法則 -量子力学-
2.3 スピン
2.4 多粒子系の量子力学
2.5 クライン‐ゴルドン方程式
2.6 遷移確率
演習問題
3.素粒子の世界を探る
3.1 素粒子の検出
3.2 素粒子の加速 -巨大加速器-
3.3 衝突断面積とルミノシティ
演習問題
4.相対性理論
4.1 ローレンツ変換
4.2 相対論的力学
4.3 4元ベクトル
演習問題
5.核力とパイ中間子
5.1 力の場と粒子 -核力の中間子論-
5.2 不確定性原理とパイ中間子の質量
5.3 パイ中間子の発見
5.4 湯川ポテンシャル
5.5 アイソスピン
5.6 素粒子の共鳴現象
演習問題
6.ディラック方程式
6.1 ディラック方程式
6.2 ディラック方程式の解
6.3 電磁場がある場合のディラック方程式
6.4 空孔理論と陽電子
6.5 反陽子と反中性子
6.6 反粒子
6.7 空間反転と時間反転
演習問題
7.ニュートリノと弱い相互作用
7.1 ベータ崩壊とニュートリノ
7.2 フェルミ相互作用
7.3 ニュートリノの検証
7.4 ミューニュートリノと電子ニュートリノ
7.5 レプトンとレプトン数
7.6 パリティの破れ
7.7 カレント‐カレント相互作用とWボソン
7.8 中性カレント
7.9 対称性の自発的な破れと電弱統一模型
演習問題
8.ハドロンとクォーク
8.1 奇妙な粒子とストレンジネス(奇妙さ)
8.2 ハドロンの超多重項
8.3 ハドロンのクォーク模型
8.4 クォークのカラー(色)
8.5 QCD(量子色力学)
8.6 電子‐核子の大角度非弾性散乱とパートン模型
8.7 電子‐陽電子衝突
8.8 重いクォーク -cクォーク,bクォーク,tクォーク-
8.9 クォークの弱い相互作用
演習問題
9.フェルミオンの世代と混合
9.1 標準模型
9.2 フェルミオンの世代
9.3 世代の混合とCP不変性の破れ
9.4 中性K中間子,中性B中間子とCP不変性の破れ
9.5 大気ニュートリノと太陽ニュートリノ
9.6 ニュートリノの質量とニュートリノ振動
演習問題
10.おわりに
10.1 大統一理論
10.2 超対称理論
付録
A. 主な素粒子
B. 湯川ポテンシャルの導出法
C. 電磁気力がある場合の解析力学
D. ゲージ変換とゲージ理論
D.1 電磁気学のゲージ変換
D.2 量子電磁気学のゲージ変換
D.3 荷電粒子の場の位相変換
D.4 4元電磁ポテンシャルの幾何学的な意味
D.5 ゲージ原理とゲージ理論
ISBN:9784785322199
。出版社:裳華房
。判型:A5
。ページ数:226ページ
。定価:2800円(本体)
。発行年月日:2003年07月
。発売日:2003年07月25日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PHM。