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基礎物理学選書 23

光学

著:石黒 浩三

紙版

内容紹介

 私たちの生活の様々な分野に光の特性を利用した各種のデバイスが応用されるようになり、改めて光学の重要性が認識されるようになってきた。
 本書は、伝統的な光学の講義では扱いにくい電磁光学と量子光学のつながりを明確にし、今後の光学の発展の方向を考える基礎となりうるような構成で執筆された入門書。光学の基礎が、平易に、ごまかすことなく、また電磁気学の知識をできるだけ必要としない形で執筆されている。

目次

1.幾何光学
 1.1 幾何光学の基本法則
 1.2 光線
 1.3 反射・屈折の法則
 1.4 単一球面による光線の屈折
 1.5 薄レンズの結像の式
 1.6 レンズの軸上にない物点の像
 1.7 薄レンズの組合せと厚レンズ
 1.8 任意の共軸球面系の作図による結像の式の導出
 1.9 レンズの横倍率
 1.10 レンズの絞り
 1.11 収差
 1.12 Seidelの分類による3次の収差
 1.13 薄レンズの色収差
 1.14 光線追跡

2.波動光学の基礎
 2.1 波としての光
 2.2 光学的距離
 2.3 フェルマーの原理
 2.4 フェルマーの原理と光線の通路
 2.5 垂直入射光の振幅反射率と振幅透過率
 2.6 垂直入射光のエネルギー反射率とエネルギー透過率
 2.7 横波の伝搬の取扱い法
 2.8 反射率, 透過率に関するフレネルの公式
 2.9 複屈折と偏光
 2.10 光の干渉
 2.11 マイケルソンの干渉計
 2.12 薄膜の干渉(1)(等傾角の干渉じま)
 2.13 薄膜の干渉(2)(等厚の干渉じま)
 2.14 ニュートンリング
 2.15 光の回折
 2.16 ホイヘンスの原理
 2.17 スリットによる回折
 2.18 長方形のあなによる回折
 2.19 丸あなによる回折
 2.20 回折格子

3.光学の応用
 3.1 望遠鏡の分解能
 3.2 顕微鏡の分解能
 3.3 アッペの正弦条件
 3.4 ホログラフィー
 3.5 光ファイバーによる画像の伝送
 3.6 光ファイバーの通信への応用
 3.7 いろいろな偏光
 3.8 異方性のある媒質の屈折率と結晶板の干渉(1)
 3.9 複屈折
 3.10 法線速度と光線速度
 3.11 単軸結晶と二軸結晶
 3.12 四分の一波長板と偏光の見わけ方
 3.13 結晶板の干渉(2)
 3.14 偏光顕微鏡とコノスコープ像
 3.15 旋光性
 3.16 鳴竜とレーザー

4.電磁光学
 4.1 光波の媒質 ── エーテル
 4.2 エーテルに対する光源, 観測者の相対運動の検出の試み
 4.3 光速度測定の歴史
 4.4 光行差の実験とマイケルソンの実験の矛盾
 4.5 電磁気学の復習
 4.6 電磁波が満足すべき境界条件の考察
 4.7 誘電率と分極
 4.8 分散
 4.9 散乱

著者略歴

著:石黒 浩三
東京大学名誉教授、理学博士。1916年 東京都に生まれる。旧制第一高等学校卒業、東京帝国大学理学部卒業。東京大学助手・講師・助教授・教授、東京理科大学教授などを歴任。

ISBN:9784785321253
出版社:裳華房
判型:A5
ページ数:224ページ
定価:3400円(本体)
発行年月日:1982年