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裳華房テキストシリーズ-物理学

原子核物理学

著:永江 知文
著:永宮 正治

紙版

内容紹介

21世紀において、原子核物理学はさらなる拡がりをみせるものと思われる。本書は、原子核というミクロの世界を、必ずしも原子核物理を専門としない学部学生にも興味をもって学んでもらえることを目指した教科書である。そのため、できるだけ数式による説明を避けて、実験事実に基づいて直観的に理解できるように書かれている。また、最先端の興味深いトピックスにも触れられるように配慮されている。

目次

1.序章
 演習問題

2.原子核の基本概念
 2.1 原子核の発見
 2.2 原子核の質量
 2.3 原子核の束縛エネルギー
 2.4 原子核の大きさと形
 2.5 原子核のスピン・アイソスピン・パリティ
 演習問題

3.原子核の模型
 3.1 液滴模型
 3.2 フェルミガス模型
 3.3 殻模型
 3.4 集団運動模型
 演習問題

4.原子核の崩壊と放射線
 4.1 原子核崩壊の一般的性質
 4.2 α崩壊:強い相互作用
 4.3 β崩壊:弱い相互作用
 4.4 γ崩壊:電磁相互作用
 演習問題

5.弱い相互作用とニュートリノ
 5.1 ニュートリノの発見
 5.2 ニュートリノとレプトン数
 5.3 パリティの破れ
 5.4 ニュートリノのヘリシティ
 5.5 ニュートリノの質量
 演習問題

6.放射線と物質との相互作用
 6.1 基本概念
 6.2 荷電粒子
 6.3 電子・陽電子
 6.4 光子
 6.5 中性子
 演習問題

7.粒子検出器
 7.1 検出器の歴史
 7.2 さまざまな検出器
 演習問題

8.粒子加速器
 8.1 加速器とは
 8.2 静電型加速器
 8.3 線形加速器
 8.4 円形加速器
 8.5 衝突型加速器
 8.6 実際の加速器施設
 演習問題

9.原子力と核融合
 9.1 核分裂反応
 9.2 連鎖反応と原子炉
 9.3 核融合反応
 演習問題

10.宇宙における元素合成
 10.1 ビッグバンと元素合成
 10.2 星の進化
 10.3 星の内部での元素合成
 演習問題

11.ハドロンと原子核
 11.1 ハドロンとは
 11.2 中間子
 11.3 バリオン
 11.4 ハイパー核
 演習問題

12.クォークと原子核
 12.1 深部非弾性散乱
 12.2 クォーク・パートン模型
 12.3 EMC効果
 12.4 ダイバリオンとグルーボール

13.高温高密度の原子核
 13.1 クォークの閉じ込め
 13.2 クォーク・グルーオンプラズマ
 13.3 核物質の相図
 13.4 高エネルギー重イオン反応

著者略歴

著:永江 知文
京都大学教授、理学博士。1958年 熊本県に生まれる。東京大学理学部卒業、東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。東京大学助手・助教授、高エネルギー加速器研究機構助教授・教授を経て現職。
著:永宮 正治
高エネルギー加速器研究機構名誉教授、理博。1944年 兵庫県に生まれる。東京大学理学部卒業、大阪大学大学院理学研究科博士課程修了。東京大学助手、カリフォルニア大学ローレンスバークレイ研究所主任研究員、東京大学助教授、コロンビア大学教授、東京大学教授、高エネルギー加速器研究機構教授などを歴任。

ISBN:9784785320942
出版社:裳華房
判型:A5
ページ数:186ページ
定価:2600円(本体)
発行年月日:2000年09月
発売日:2000年09月30日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PHM