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物理のための応用数学

著:小野寺 嘉孝

紙版

内容紹介

 理工系の学生が大学2年から専門課程で主として物理を学ぶ上で必要な数学を1冊にまとめた教科書である。
 本書では、大学に入ってすぐに学ぶ一般的な物理学で必要な初等的数学は除外した。姉妹書の『基礎演習シリーズ 物理のための応用数学』(ISBN 978-4-7853-8108-0)との併用により、一層の理解の助けになろう。

目次

1.微分と偏微分
 1.1 微分
 1.2 偏微分
 1.3 全微分
 1.4 ラグランジュの未定乗数
 1.5 ヤコビアン
 1.6 同次関数の偏微分
 1.7 ライプニッツの微分公式と2項係数

2.変分法
 2.1 変分問題とは
 2.2 オイラー方程式
 2.3 いくつかの例
 2.4 関数が複数個の場合
 2.5 多変数の場合
 2.6 積分形の付加条件がついた場合
 2.7 直接法
 2.8 微分方程式の固有値問題と変分問題

3.デルタ関数
 3.1 デルタ関数の定義
 3.2 デルタ関数の性質
 3.3 デルタ関数のいろいろな表現

4.直交関数系
 4.1 フーリエ級数
 4.2 直交関数系
 4.3 シュミットの直交化
 4.4 直交関数系による関数の展開
 4.5 ワイヤシュトラスの近似定理

5.直交多項式
 5.1 エルミート多項式
 5.2 ルジャンドル多項式
 5.3 ラゲール多項式
 5.4 ラゲール陪多項式
 5.5 ルジャンドル陪関数 
 5.6 チェビシェフ多項式
 5.7 直交多項式のまとめ
 5.8 球面調和関数

6.合流型超幾何関数
 6.1 合流型超幾何関数
 6.2 合流型超幾何微分方程式とその基本解
 6.3 合流型超幾何関数を使って解ける微分方程式
 6.4 合流型P 関数
 6.5 合流型P 関数の性質
 6.6 例題,再び水素原子の問題
 6.7 合流型超幾何関数の諸性質

7.ガンマ関数
 7.1 ガンマ関数
 7.2 ベータ関数
 7.3 相反公式
 7.4 倍数公式
 7.5 漸近展開.スターリングの式,鞍点法
 7.6 無限乗積表示とガンマ関数の計算法
 7.7 ポリガンマ関数
 7.8 不完全ガンマ関数

8.ベッセル関数
 8.1 整数次のベッセル関数
 8.2 一般の次数のベッセル関数
 8.3 円柱関数.ベッセル微分方程式の基本解
 8.4 漸近展開
 8.5 応用.ヘルムホルツ方程式(円柱座標)
 8.6 応用.円形開口による光の回折
 8.7 ベッセル関数を使って解ける微分方程式
 8.8 変形ベッセル関数
 8.9 球ベッセル関数
 8.10 応用.ヘルムホルツ方程式(球座標)

9.境界値問題とグリーン関数
 9.1 微分方程式の主要解
 9.2 境界値問題
 9.3 グリーン関数
 9.4 グリーン関数の物理的意味
 9.5 グリーン関数を求めるには
 9.6 シュツルム-リウビルの境界値問題
 9.7 グリーン関数の対称性
 9.8 境界条件を拡張する
 9.9 ヘルムホルツ方程式の主要解
 9.10 グリーン関数の対称性(3次元)
 9.11 ヘルムホルツ方程式の境界値問題

付録:関数論入門
 A.l なぜ関数論を学ぶのか
 A.2 関数論の出発点
 A.3 解析接続とは

著者略歴

著:小野寺 嘉孝
元 明治大学教授、理学博士。1942年 東京都に生まれる。東京大学工学部卒業、東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。京都大学助手、東京都立大学助教授・教授、明治大学教授などを歴任。主な著書に『演習で学ぶ 量子力学』『物性物理/物性化学のための群論入門』『応用群論』『基礎量子力学/演習』(以上 裳華房)、『なっとくする複素関数』『なっとくするベクトル』(以上 講談社)などがある。

ISBN:9784785320317
出版社:裳華房
判型:A5
ページ数:236ページ
定価:2700円(本体)
発行年月日:1988年