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可積分系の応用数理

編:中村 佳正

紙版

内容紹介

空間変数だけでなく、時間変数や従属変数さえ離散化された領域でも考えられる可積分系は、コンピュータのもつ離散性や有限性と極めて相性が良いことにより、コンピュータサイエンスとの境界領域において大いに発展を遂げた。この新しい研究領域を開拓してきた執筆陣が、具体例を用いてそのアイデアを解説する。

目次

1.可積分系の離散化について〔辻本 諭〕
 1.1 はじめに
 1.2 発見的手法による双線形形式の離散化
 1.3 代数的恒等式を用いた双線形離散方程式の導出
  1.3.1 Casorati 行列式
  1.3.2 2方向 Casorati 行列式
  1.3.3 2重 Casorati 行列式
  1.3.4 パフィアン
 1.4 離散 KP 系列の特殊化
  1.4.1 離散2次元戸田格子方程式
  1.4.2 離散 Lotka-Volterra 方程式
  1.4.3 離散 KdV 方程式
  1.4.4 離散 NLS 方程式と離散2成分 KP 方程式
 1.5 Backlund 変換とその応用
 1.6 おわりに
 参考文献

2.ソリトン方程式の数値計算〔西成活裕,佐々成正〕
 2.1 はじめに
 2.2 可積分差分スキームの特徴
 2.3 各種数値計算法の比較検討
  2.3.1 いろいろな数値計算法
  2.3.2 計算効率の比較
 2.4 ホモクリニック解の数値計算
  2.4.1 常微分方程式へのリダクション
  2.4.2 Darboux 変換とホモクリニック解
  2.4.3 ホモクリニック軌道近傍の数値計算
 2.5 まとめ
 参考文献

3.超離散可積分系とソリトン・セルオートマトン〔松木平淳太〕
 3.1 方程式の離散化とは
 3.2 セルオートマトン
 3.3 ソリトン・セルオートマトン
 3.4 箱と玉の系
 3.5 超離散化
 3.6 超離散可積分方程式
 3.7 超離散をめぐる今後の課題
 参考文献

4.離散系における可積分性の判定〔梶原健司〕
 4.1 はじめに
 4.2 特異点閉じ込めテスト
 4.3 SC テストを用いた双線形化
 4.4 Painleve テストと特異点閉じ込め法
 4.5 いくつかの話題
 4.6 おわりに
 参考文献

5.可積分系とアルゴリズム〔中村佳正〕
 5.1 可積分系とアルゴリズムの関わり
 5.2 タイプ1:QR アルゴリズム型
 5.3 タイプ2:べき乗法型
 5.4 タイプ3:qd アルゴリズム型
 5.5 タイプ4:算術幾何平均のアルゴリズム型
 5.6 既知のアルゴリズムとは対応しない可積分系
 5.7 まとめ
 参考文献

6.離散可積分系と数列の加速法〔永井 敦〕
 6.1 はじめに
 6.2 加速法とは?
 6.3 離散ソリトン方程式と加速法
 6.4 戸田分子方程式とε算法
 6.5 まとめ
 参考文献

7.可積分系のシンメトリーと数式処理〔渡邊芳英〕
 7.1 はじめに
 7.2 微分方程式の Lie シンメトリー
 7.3 微分方程式の Lie-Backlund シンメトリー
 7.4 発展方程式の Lie-Backlund シンメトリーと Hamilton 構造
 7.5 発展方程式の形式的シンメトリーと形式的保存則
 7.6 数式処理(REDUCE)によるプログラム
 参考文献

著者略歴

編:中村 佳正
京都大学教授、工学博士。1955年生まれ。京都大学工学部部卒業、京都大学大学院工学研究科博士課程修了。岐阜大学助手・助教授、同志社大学助教授・教授、大阪大学教授 等を経て現職。

ISBN:9784785315207
出版社:裳華房
判型:A5
ページ数:328ページ
定価:4400円(本体)
発行年月日:2000年06月
発売日:2000年06月10日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PBK