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診療所経営の教科書

第3版

院長が知っておくべき数値と事例

著:小松大介
監:大石佳能子

紙版

内容紹介

コロナ禍で激変した医療環境を「見える化」
最新の統計データに基づく全面改訂版

◆自院が10年後、20年後も生き残るためにはどうすればよいか? 詳細な市場分析と将来予測に基づく診療所の「生き残り戦略」を提示しました。
◆健全経営の目安となる「数値」を明示。各種統計データに加え、独自のマーケティング手法ではじき出した経営指標を、カラーグラフでわかりやすく視覚化しました。
◆著者自ら事務長として経営再建やトラブル解決にあたった「事例」を紹介。増患対策や人事・労務管理のコツを解説しています。
◆大幅なページ増に加え、無料の電子版が付属。巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます。(B5変型判カラー274ページ・電子版付き)

第1章 数値で読み解く診療所経営
1. 診療所経営の概略
2. 経営・臨床指標の目安
3. 診療所財務の実態
4. 労務にまつわる事実
5. 患者の動向
6. 在宅医療の実態
7. 医療機関の動向
8. 患者動向の変化を見通す
9. 日本の構造変化を甘く見ない

第2章 診療所における経営戦略
1. 診療所の経営戦略とは
2. 経営戦略策定のプロセス
3. 経営戦略とマネジメント
4. ウィズコロナ時代の経営戦略

第3章 事例でみる診療所経営のポイント
1. 本当に効果のある増患対策
2. クリニックにおける競合と連携
3. 人事管理・労務管理の表と裏
4. 組織マネジメント
5. 生産性向上とコスト適正化
6. 在宅医療への取り組み
7. 地域に根ざした事業展開

目次

第1章 数値で読み解く診療所経営
1. 診療所経営の概略
 1.1 診療所の外来患者数は40人/日
 1.2 個人診療所の年間売上は平均8,501万円、利益は2,528万円
 1.3 初・再診料と医学管理料で粗利の4割
2. 経営・臨床指標の目安
 2.1 初診率の目安は10%
 2.2 診療圏は都心で半径1〜3km、郊外で半径3〜5km
 2.3 内科開業に必要な背景人口は2,000人弱
3. 診療所財務の実態
 3.1 内科診療所の損益分岐点は年収6,000万円
 3.2 リース料率1.8%と金利3.1%は同じ
 3.3 借入金は売上高の1.5倍まで
 3.4 設備投資は年間平均220万円
4. 労務にまつわる事実
 4.1 人件費は売上対比50%以下に
 4.2 看護師の人件費は年499万円で上昇中
 4.3 毎年14%のスタッフが辞めていく
5. 患者の動向
 5.1 外来患者の4分の1は高血圧、1割は糖尿病
 5.2 来院頻度は平均3週間に1回
 5.3 医師1人当たり外来患者数は今後20年で10%減少
6. 在宅医療の実態
 6.1 30万人の看取りができない
 6.2 外来40人/日と在宅50人/月は同じ収支
 6.3 在宅看取りの約半数は末期癌患者
7. 医療機関の動向
 7.1 診療所数トップ5は内科・整形外科・小児科・精神科・消化器内科
 7.2 診療所の開業は年8,000件
 7.3 診療所は増え続け、病院は減り続けている
8. 患者動向の変化を見通す
 8.1 認知症患者が急増し、生産年齢人口の7人に1人に
 8.2 死因トップ3は悪性新生物・心疾患・老衰
 8.3 65歳以上になると入院患者は7倍に
9. 日本の構造変化を甘く見ない
 9.1 もうすぐ人口の30%が高齢者になる
 9.2 65歳以上の医療費が全体の60%を占める
 9.3 医療費の税負担は国家予算の17%

第2章 診療所における経営戦略
1. 診療所の経営戦略とは
2. 経営戦略策定のプロセス
3. 経営戦略とマネジメント
4. ウィズコロナ時代の経営戦略

第3章 事例でみる診療所経営のポイント
1. 本当に効果のある増患対策
 1.1 地域で知られていないことを知る
 1.2 初診患者を集めなければ何も始まらない
 1.3 継続患者・再診患者こそが宝
 1.4 失敗事例から学ぶ集患のポイント
 1.5 営業も重要な集患の手段
 1.6 予約システムは診療スタイルとの相性で選ぶ
2. クリニックにおける競合と連携
 2.1 強い競合には近づかない
 2.2 見方を変えれば連携は可能
 2.3 ネットワークで総合診療を実現する
3. 人事管理・労務管理の表と裏
 3.1 そもそも安定していないスタッフの雇用
 3.2 モチベーションを上げるための仕掛け
 3.3 退職の際は、思いやりと愛情で
 3.4 看護師の一斉退職を止める
 3.5 スタッフの声にならない声を聞く
4. 組織マネジメント
 4.1 効果的な会議運営のポイント
 4.2 活躍する事務長の条件
 4.3 親族経営の功罪
5. 生産性向上とコスト適正化
 5.1 医療機器の投資判断
 5.2 仕入れ価格、委託費のコスト削減
 5.3 人件費の適正化
 5.4 クリニックにおけるICTの活用とDX
6. 在宅医療への取り組み
 6.1 在宅医療を提供する医療機関の類型
 6.2 24時間の連携体制をいかにして構築するか
 6.3 在宅医療の運営と地域連携
7. 地域に根ざした事業展開
 7.1 医師会との適度な距離感をつかむ
 7.2 介護事業・住宅事業への展開
 7.3 オンライン医療への取り組み
 7.4 診療所の新たな経営戦略の事例

著者略歴

著:小松大介
小松大介(こまつ・だいすけ)
株式会社メディヴァ取締役・コンサルティング事業部長
神奈川県出身。東京大学教養学部基礎科学科第2卒業、同大学院総合文化研究科修士課程修了。マッキンゼー・アンド・カンパニーのコンサルタントとしてデータベース・マーケティングとビジネス・プロセス・リデザインに従事した後、(株)メディヴァを創業。現在300以上の病院、200以上のクリニックの新規開業・経営支援、70以上の介護施設の経営再生を手がけ、コンサルティング部門のリーダーをつとめる。最近では医療機関の健全経営・経営再生をテーマに、中小規模病院・診療所の再生実務で実績をあげ、新棟建築や組織体制作り、企業との連携、介護事業展開支援等、ヘルスケア全般に幅広い領域のコンサルティングを行っている。著書『病院経営の教科書』『医業承継の教科書』『医業経営を“最適化"させる38メソッド』
監:大石佳能子
大石佳能子(おおいし・かのこ)
株式会社メディヴァ代表取締役社長、医療法人社団プラタナス総事務長
大阪府出身。大阪大学法学部卒業、ハーバード・ビジネス・スクールMBA。マッキンゼー・アンド・カンパニーのパートナーを経て、(株)メディヴァと医療法人社団プラタナスを設立。医療・介護、健保組合・健康経営、企業・行政のコンサルティング、ヘルスケアサービスの開発・運営、海外での医療・介護事業展開を手がける。資生堂、参天製薬、江崎グリコ等の非常勤取締役。大阪大学経営協議会委員、ハーバード・ビジネス・スクール諮問委員。規制改革推進会議(医療・介護ワーキング・グループ元座長)、2050経済社会構造部会、厚生労働省「これからの医業経営の在り方に関する検討会」のほか、政府の有識者会合の委員を歴任。著書『100のチャートで見る人生100年時代』『在宅医療・地域包括ケア・ファクトパック』『病院経営の教科書』

付属物

★電子版のシリアルコードを巻末に封入。登録すると本書の全ページをWebで閲覧できます。

ISBN:9784784943791
出版社:日本医事新報社
判型:B5変
ページ数:274ページ
定価:4700円(本体)
発行年月日:2023年01月
発売日:2022年12月26日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:MBPM
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:MJ