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歴史知のオントロギー

文明を支える原初性

著:石塚正英

紙版

内容紹介

❖この地球上に生きて存在していることの意味、自然環境と社会環境の只中に内在していることの意味、あるいは、人と自然が互いに存在を認め合う関係が指し示す意味、歴史知のオントロギーを問う。

自然と人間、世界と地域、過去と現在、それらは相互に連環し、諸学は相互に連環している。それは歴史知を形成する。それは身体知を形成する。前近代に起因する知(経験知・感性知)と現代に特徴的な知(科学知・理性知)を時間軸上で連合する知を探究する。感性知と理性知を両極にして相互に往復運動をする、両者あいまって成立する知的パラダイムである。これこそが人類史の二一世紀的未来を切り拓く知、〔歴史知〕なのだ。(はしがきより)

目次

第1章❖ 先史社会を現代人はどう見たか―トインビー・ヤスパース・フレイザー
第2章❖ 先史文化を現代人はどう見たか―デュルケム・マリノフスキー・ラドクリフ= ブラウン
第3章❖ リグ・ヴェーダの歴史知的討究―プレ・インダスの提唱
第4章❖ 身体内共生儀礼としての食人習俗
第5章❖ カラル遺跡(ペルー)十字形像の先史性
第6章❖ シンボルによる価値転倒―十字形像を事例に
第7章❖ キリスト教神話のドラマトゥルギー―グノーシス的解釈とフェティシズム的解釈
第8章❖ 〔父が子を生む(マタイ福音書)〕表現の歴史知的考察
第9章❖ ゲシュレヒターポリス(氏族遺制都市)とアヴンクラート(母方オジ権)
第10 章❖ 汎神論と物神論―ブルーノ・スピノザ・フォイエルバッハ
第11 章❖ 感性文化と美の文化―バウムガルテン・ヘーゲル・フレイザー
第12 章❖ 未然形の純粋経験と連用形の歴史知―西田幾多郎小論
第13 章❖ 先史と文明を仲介する前方後円墳の儀礼文化
第14 章❖ 母系制と姫彦制の関係―高群逸枝『母系制の研究』に鑑みて
第15 章❖ 安藤昌益の自然観と社会観―災害と飢饉の江戸中後期を現在として生きつつ
第16 章❖ 陶淵明の「心在」は「死してなお自然 とともにある」を意味する
第17 章❖ 思想としての二・二六昭和維新―三島由紀夫『憂国』をまじえて

著者略歴

著:石塚正英
東京電機大学名誉教授。NPO法人頸城野郷土資料室(新潟県知事認証)理事長。著作『石塚正英著作選【社会思想史の窓】』全6巻『革命職人ヴァイトリング―コミューンからアソシエーションへ』『地域文化の沃土 頸城野往還』『マルクスの「フェティシズム・ノート」を読む―偉大なる、聖なる人間の発見』ほか多数

ISBN:9784784518814
出版社:社会評論社
判型:A5
ページ数:424ページ
定価:3400円(本体)
発行年月日:2021年10月
発売日:2021年10月20日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHA