天皇のダイニングホール
知られざる明治天皇の宮廷外交
著:山崎 鯛介
著:メアリー・レッドファーン
著:今泉 宜子
内容紹介
現在、明治神宮外苑の結婚式場として知られる明治記念館の本館は、明治天皇と昭憲皇太后が外国からの賓客をもてなすため、宮中晩餐会で使用した赤坂仮皇居 御会食所の遺構である。
その知られざる歴史をひもときながら、当時の宮廷外交の実態について、「建築」「テーブルアート」「人物」という3つのテーマから読みといていく。
*明治記念館開館70周年記念出版*
目次
まえがき
序 章 明治天皇の御会食にみられる三つの機会とその内容 山﨑鯛介
天皇の御会食に見られる三つの機会
「おごそかな和食昼餐会」として行われた三大節賜宴
来朝した各国皇族との御会食
大臣・参議および各国公使との御陪食
第一章 交流の建築 山﨑鯛介
~御会食所のデザインにみる「復古」と「近代」の二面性~
一、既存建物のリノベーションとその空間
西ノ丸皇居における儀礼形式の確立
赤坂仮皇居への移転と既存建物の改修
空間の使い方 朝儀(新年拝賀と三大節賜宴)
空間の使い方 国賓接待の場合
二、御会食所の設計意図
最初に計画された謁見所・会食所「併設案」
設計変更による会食所への特化
竣工時の御会食所に見られる和洋折衷の室内意匠
「復古」を強調した京都御所風の意匠
三、明治十九年に行われた床仕上げの大改修
儀礼空間を対象とした床仕上げの大改修
婦人の洋装化と洋風晩餐会への洋装皇后の同席
新年拝賀に導入された新しい形式「列立拝賀」
第二章 食卓の外交 メアリー・レッドファーン(林美和子 訳)
~明治天皇の洋食器と意匠をめぐる戦略~
一、食卓の用意
諸国酒宴に参加した日本
外交の小道具 宮中の洋食器
「西洋の」食器
二、御会食所の初日
明治八年に注文された英国製の洋食器
明治十四年に来日した英国の王子たちとの饗宴
天皇の戦略
三、御用食器の新古模様
御会食所のための国産宮中洋食器
「天皇」のためのデザイン
明治天皇の食卓を越えて
器の絆
第三章 饗宴の舞台裏 今泉宜子
~人物で読む明治宮殿誕生前夜の宮中外交~
一、ドレスと勲章~皇后のディプロマシー~
御会食所の皇后ことはじめ
皇后の洋装化
女の勲章
明治宮殿への登場
二、条約改正への道~シーボルト兄弟が見た明治外交~
不平等条約というくびき
アレクサンダーとハインリヒの日本
井上馨外相時代の改正交渉とアレクサンダーの奔走
遠い夜明け
三、明治天皇の料理番~大膳職を支えた人々~
「本格」未満の時代
宮中洋食はじめて物語
秋山コレクションに見る御会食所の午餐・晩餐
「食」のお雇外国人と海を渡った大膳職
あとがきにかえて
<付録> 「天皇のダイニングホール」を訪れた人々~赤坂仮皇居御会食所の利用年表~
注
図版所蔵先・出典一覧
人物索引
ISBN:9784784219032
。出版社:思文閣出版
。判型:A5
。ページ数:284ページ
。定価:2500円(本体)
。発行年月日:2017年10月
。発売日:2017年10月04日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:WQY。