青へ
著:菊池唯子
紙版
内容紹介
遥かなる時と宇宙
やがて月も満ち 氷も溶ける
足もとの人々よ
すこやかな草のように みどりのいのちを
いちどきに 芽吹かせるのだ
(「是川にて」)
「地底湖のゆらめく青に/一千年染められてあれ/そこまでおりてゆくから/「わたし」よ」(「青へ」)。縄文の一万年という分厚い時間が層となる北の地に詩人は立つ。人類史が変わりつつある現在、足もとから澄んだ祈りをくみ上げる。14年ぶりの新詩集。