子実体日記 完結
だれのすみかでもない
著:彦坂 美喜子
紙版
内容紹介
無性生殖ばかりのわれら
何世代も同じ菌糸体を養い育てています。が、
だろだっでにだなならと毎日変態くりかえし
くりかえし高等菌類ゆめ見る明日
「短歌のリズムを遠い反響のように意識し、時に活用しながら、その切断と連続性の線上から、とてつもなく逸脱する母胎として、〈子実体〉という、摩訶不思議なことばの自働繁殖機を発見してしまった」(北川透)、
「そのラジカリズムに畏怖すら感じざるをえない。今はその混沌をこそ凝視すべきであろう。心ある読み手にどのように受けとめられていくか。固唾を飲んで見守るばかりだ。」(倉橋健一)。
アナーキーでどこまでも逸脱していく異質な声たち。詩と歌の解体/生成へ、詩形をめぐるあらたな挑戦、30篇。装幀=髙林昭太