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アイデンティティ 完結

著:吉狄 馬加
訳:渡辺 新一

紙版

内容紹介

中国少数民族詩人初の訳詩集
「すべてはわたしを包み込んでいるが/実は私は千年来の/正義と邪悪の戦いだ/実は私は千年来の/愛と夢の申し子だ」(「自画像」)。
「最も一般的なことこそ最も特殊であり、最も平凡なことこそ最も永久的であり、最も民族的なことこそ最も国際的である。(中略)その作品の深さと広さから見て、吉狄馬加は彝族に属しているだけでなく、中華民族に、さらに世界に属している。かれは中国語を用いて詩を書く人類の代弁者である。彼は真の詩人なのだ」(緑原「吉狄馬加 一人の真正な詩人」より)
中国の少数民族彝族の文化と伝統を背景に、壮大でありながらも抒情的な感性を持ち合わせる詩人の全貌。詩人自身による挿絵も併録した、本邦初の待望の訳詩集。

著者略歴

著:吉狄 馬加
1961年、四川省涼山彝族自治州昭覚県で彝族の父母の間に生まれる。1987年の9月、成都の西南民俗学院中文系漢語言文学専攻に入学。1982年、同学を卒業後、涼山彝族文聯(中国文学芸術界合会)で働く。「涼山文学」の編集に携わり、同文聯主席をつとめる。1991年、四川省作家協会副主席。1995年、中国作家協会書記処書記となり、「民族文学」主編。2006年から青海省副省長、同常務委員会宣伝部長をつとめ、青海省の文化発展に力をそそぎ青海湖国際詩歌節などを組織する。2015年からは中国作家協会副主席、書記処書記、魯迅文学院院長をつとめる。組詩「自画像およびその他」は第2回全国少数民族文学詩歌賞と第1回郭沫若文学栄誉賞を受賞、詩集『初恋の歌』は中国第3回新詩(詩集)賞を受賞、『ある彝人の夢』は第4回民族文学賞詩集賞を受賞、『ローマの太陽』は第1回四川省少数民族優秀文学作品賞を受賞するなど多数受賞。また、荘重文文学賞、柔剛詩歌栄誉賞、ロシア作家協会からショーロホフ文学記念証書、ブルガリア作家協会から詩歌の傑出した貢献を表彰されるなど、中国内外でも多数受賞している。
訳:渡辺 新一
1946年、東京に生まれる。中央大学名誉教授。東京都立大学大学院博士課程満期退学。中国現代当代文学専攻。詩歌に関する多くの論文を発表。著書に『現代中国文化の軌跡』、『現代中国文化の光芒』(ともに中央大学出版部)など。
訳書に『魯迅全集 日記ⅠⅡ Ⅲ』(共訳、学習研究所)、劉慶邦『神木―ある炭鉱のできごと』(共訳)、方方『落日―とかく家族は』(ともに勉誠出版社)など。

ISBN:9784783727859
出版社:思潮社
判型:4-6
ページ数:317ページ
定価:2800円(本体)
発行年月日:2019年01月
発売日:2019年01月18日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DC