木霊
著:矢島 久栄
紙版
内容紹介
◆第三句集
遠足の一人に問へばみな答ふ
行く先を尋ねると、子供たちが一斉に答えた。遠足を楽しみにしていたのである。
矢島久栄さんの俳句は、昔から丁寧な描写に特長がある。俳諧味の幅も広がり、充実した一冊となった。
(帯より・鷹羽狩行)
◆自選十句
爪立ちて遺影に御慶申しけり
幕降りて花道のこる初芝居
揺るるとき紅さす鬱金桜かな
亀鳴くを彼の世に聞いてをらるるや
青梅の歓喜のこゑを洗ひけり
合歓の花散るや寸陰惜しむかに
町の名を鏡といへり風の盆
天高し伽藍に伍して杉・檜
鷹柱崩れの一羽渡るなり
綯ふことは祈りの仕草注連作
目次
寒明け 平成六年~十年 5
清 白 平成十一年~十五年 33
予 報 平成十六年~十九年 71
遠 来 平成二十年~二十三年 105
蕗の薹 平成二十四年~二十七年 149
あとがき