冬の虹
著:花輪 とし哉
紙版
内容紹介
◆第ニ句集
八十路越えなほ生きてみむ冬の虹
結社誌『萬緑』は、このたび終刊となる。「萬緑人」にとっては、大きなショックである。会員の多くは新結社「森の座」に移ったが、私は「萬緑人」としてとどまり、消えていく覚悟である。
(あとがきより)
◆自選十二句より
入れ替ふる肺の空気や去年今年
羽子板や浅き突き跡いちめんに
うららかに草間彌生といふオブジェ
春の雨仏足石を満たしけり
「次男」とのみ記す墓標や水鶏鳴く
ゆらゆらりゆら海月舞ふ三拍子
万緑の一処を裂きて日の矢かな
一点みる子規の眼光秋灯下
高階に二人で生きて蓮の飯
今もある師の掌のぬくみ冬紅葉
目次
Ⅰ 平成十五年~十六年 5
Ⅱ 平成十七年~十八年 19
Ⅲ 平成十九年~二十年 39
Ⅳ 平成二十一年~二十二年 59
Ⅴ 平成二十三年~二十四年 77
Ⅵ 平成二十五年~二十六年 97
Ⅶ 平成二十七年~二十八年 115