思ってます
池田澄子句集
著:池田 澄子
紙版
内容紹介
◆第六句集
思えば物心付いて以来、当然のことながらいつも何かを思っていた。
が、思いは、ほぼ何の役にも立たない。
(あとがきより)
◆自選十五句より
人たちよ駅に寒しと相知らず
籠に蜜柑テレビのテロップに「爆破」
年越し蕎麦の蕎麦湯暗渠に合流す
此処あったかいよとコンビニエンスストアの灯
心配をしながらリラを嗅いでいた
夜目遠目染井吉野は花ばかり
アマリリスあしたあたしは雨でも行く
河骨や大人になり老人になり
夕凪や寄港のたびに船古び
わが晩年などと気取りてあぁ暑し
目次
思ってます 5
ひとりのとき 31
居る 59
あーだこーだ 85
此処 113
ともしび 139
幸いなれ 169
あとがき