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津波死ゼロの日本を

被災地の復興に学び

著:岩渕 孝

紙版

内容紹介

二〇一一年三月一一日、東北地方の太平洋沖で、日本の観測史上では最大規模の地震が発生した。その東北地方太平洋沖地震は、「最大クラスの津波」を発生させ、東日本大震災をひきおこした。死者・行方不明者は約二万人を数え、その約九割は「津波による溺死」であった。「最大クラスの津波」は、南海トラフ巨大地震によっても、発生するとみられている。中央防災会議は、その際に発生する津波による死者数は、最悪の場合、二四・二万人に達すると想定している。そのような大惨事を、未然に防止するためには、何をどうしたらいいのか。まずは、東日本大震災をしっかりと検証しなくてはならない、と考えた。しかし、驚くべきことだが、国(政府)は、いまだに、東日本大震災に関する公的な検証を、十分にはおこなってはいないのである。そこで、非力を承知の上で、私的な検証を試みることにした。(「はじめに」より)

南海トラフ巨大地震の発生は刻々と迫っている、と警告されている。にもかかわらず、学校教育では、津波防災教育を避難教育にとどめ、それを「自己責任による避難教育」に単純化する傾向が見られる。「津波がきたら、逃げるしかない」という「天災」論が、大前提になっているのではないだろうか。そのように考えて、「自然災害とは何か」を、改めて問い直すことにした。(「はじめに」より)

目次

はじめに
第一章 「三・一一」津波災害を検証する
第二章 被災地で進む津波防災地域づくり
第三章 南海トラフ沿岸地域の津波防災はどこまで
第四章 科学的な自然災害論を踏まえた津波防災教育を

著者略歴

著:岩渕 孝
1936年生まれ。元秋田大学教授。
静岡雙葉学園・桐朋学園・筑波大学附属高校教諭を経て。
専門:地理学・地理教育、環境問題論。
著書:『地球を旅する地理の本(第1巻)』(大月書店、1992年)
   『地球を旅する地理の本(第3巻)』(大月書店、1993年)
   『現代世界の資源問題入門』(大月書店、1996年)
   『環境問題再入門』(地歴社、2005年)
   『「有限な地球」で』(新日本出版社、2010年)

ISBN:9784780719352
出版社:本の泉社
判型:A5
ページ数:248ページ
定価:2000円(本体)
発行年月日:2019年08月
発売日:2019年08月22日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JKS