歌舞伎キャラクター絵図
厳選53演目の見方・楽しみ方
絵:辻村 章宏
編著:「江戸楽」編集部
内容紹介
<知っておきたい!>
「役柄」「名台詞「見どころ」をわかりやすく、独自の視点で解説します。
教養がないと歌舞伎の面白さはわからない…!?
そんなイメージを、個性豊かな登場人物たちが払拭してくれます。
まずは躍動感たっぷりに描かれたイラストで
演目の押さえどころをインプット。
さらに散りばめられた観劇のヒントや豆知識で、
あなたも歌舞伎通の仲間入り。
<ようこそ! >
Kabuki Wonderlandへ
ある時、歌舞伎を観ていたら、
豪華な衣装、所作、言葉……
あれ?こんなキャラクター、原宿あたりで見なかったかなと感じた。
歌舞伎は「傾(かぶ)く」という意味らしいけど、
案外日本人は、昔からファッションだって何だって、
傾いていたんじゃないかなあ。
“ユーモアの無い没個性の日本人" と言われることもあるけれど、
この個性豊かな歌舞伎の演目を観ていると、
とてもそんなことは考えられない。
中には役者さんをずらりと並べた出し物もあり、
物語は二の次。
それはまるでファッションショーのようで、
衣装以外でも、それぞれが強烈な個性を見せる。
忠義から義理人情とか、一見、封建的な話が多いけれど、
待てよと考えてみた。
題材はそのような物語を借りてきて自分の言いたいことを言っているようで、
その時代の大衆の知恵、奇抜なスタイルで自らをアピールする
アウトローたちのエネルギーのようなものを感じる。
それが今に続いている理由かもしれない。
この強烈で華麗な歌舞伎のキャラクターを列(なら)べるだけでもワクワクする。
また役どころからその歌舞伎を観ると、
案外違った奥深さを感じ取れるのではと考えた。
<この本では>
そのユニークな歌舞伎キャラクターをイラストレーターの目で選び出し、
ランダムに描きだしてみた。
きっと若い人も、「あんな古いもの」と思わずに、
歌舞伎のことを好きになるに違いない。
「故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知る」
とあるがその通りで、
歌舞伎についても的を射た言葉だと思う。
さあスター・ウォーズも顔負けのキャラクターを訪ねよう。
そして一緒に「傾き」ましょう。
イラストレーター
辻村 章宏