オルタナティブ教育運動の社会学
ネットワークのダイナミズムと公共性への挑戦
著:藤根 雅之
内容紹介
「あたりまえ」を問い直す
「学校」という「あたりまえ」に抗してオルタナティブな活動を行う人たち。
多様な運動同士の日常的なつながり方、連携の技法を、フィールドワークをもとに明らかにする。
●著者紹介
藤根雅之(ふじね まさゆき)
博士(人間科学)、関東学院大学社会学部現代社会学科准教授、専攻:教育社会学、社会運動論。京都外国語大学外国語学部英米語学科卒業、大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程単位取得退学、大阪大学大学院人間科学研究科助教、美作大学生活科学部児童学科講師を経て現職。
目次
はじめに
第1章 「教育の公共性」とオルタナティブ教育運動のネットワーク
1 「教育機会確保法」と「教育の公共性」
2 現代日本のオルタナティブ教育運動
3 オルタナティブ教育運動内の複数性とダイナミズムへの着目
4 本書の構成
第2章 「教育の公共性」とはなにかをめぐって
1 「あたりまえ」を再生産する学校教育
2 「あたりまえ」がはらむ問題とそれへの問い直し
3 学校教育の中で「あたりまえ」を問い直す困難
4 学校教育の周辺から「あたりまえ」を問い直す声
5 「別様性」の喪失という陥穽
6 社会の中で社会の「あたりまえ」を問い直す矛盾
7 本書の問い
第3章 分析の枠組みと調査の概要
1 社会運動論における社会構築主義アプローチ
2 先行研究の検討と本書の分析課題
3 調査の概要
第4章 多様な活動のつながり方
1 多様なままつながるということの矛盾
2 連携におけるフレーミングプロセス
3 各組織の集合行為フレームの複数性
4 傘となる集合行為フレームの創発過程
5 小括
第5章 つながりを開き続けるプロセス
1 討議のプロセスとしてのネットワーク
2 フレームと出来事との弁証法
3 既存の合意の問い直し
4 出会いという出来事を経た上でのフレーミング
5 小括
第6章 多様な活動のつながりが社会に発信するメッセージ
1 フォーラムの目標設定の難しさ
2 フォーラム実施におけるフレーム論争
3 目的の複数性とデモクラシーの重視
4 運動内の複数性の重視と目標設定の両立の困難
5 討議を経ての目的の再構築
6 小括
第7章 それぞれの経験からのつながりの構築
1 なぜつながるのか?
2 オルタナティブ教育運動参与者のレトリック
3 既存の学校教育の問題点の指摘
4 オルタナティブの提示、追求
5 考え、意見する権利を取り戻す
6 小括
第8章 学校の周辺で、そして社会の中で、社会の「あたりまえ」を問い直すプロセス
1 ディスカーシブな問い直しのプロセス
2 学校教育の周辺からの学術研究への問い直し
3 「あたりまえ」を問い直す困難と、問い直されることに向き合う必要性
4 問い直し、問い直され続ける社会に向けて
引用文献
おわりに
索引 [人名/事項]
ISBN:9784779518003
。出版社:ナカニシヤ出版
。判型:4-6
。ページ数:212ページ
。定価:2400円(本体)
。発行年月日:2024年03月
。発売日:2024年04月12日。