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グローバル時代の教育相談

多様性の中で生きる子どもと教師

編:大家 まゆみ
編:稲垣 勉

紙版

内容紹介

先を見通すことが難しい時代に、これまでにない問題に直面する子どもと教師。

多文化共生社会における多様性を尊重する教育相談とは――新しい教育政策の動向をふまえた初学者向け入門書。教職課程コアカリキュラムに対応した章立てで構成。章末ワークで理解を深める。

 

●著者紹介
大家まゆみ(おおいえ・まゆみ)
東京女子大学教授

稲垣 勉(いながき・つとむ)
京都外国語大学准教授

目次

1章 教育相談と教師
1.教育相談の歴史
2.いま学校に求められていること―子どもの心の声を聴く・居場所をつくる
3.教師のカウンセリング・マインド
4.心理的成長を促すための教育相談支援

2章 子どもの心の発達を理解する
1.発達の基礎理論―発達段階説と発達課題
2.乳幼児期の発達と保護者の支援
3.児童期の発達と仲間関係
4.思春期の発達
5.青年期の発達とアイデンティティの達成

3章 これからの教育相談のあり方
1.教育相談のこれまでとこれから
2.未然防止,早期発見および支援・対応等への体制づくり
3.チーム学校として専門家や関係機関と連携するために

4章 不登校・虐待・非行
1.不登校
2.虐待
3.非行

5章 いじめ
1.いじめの定義の変遷
2.いじめ防止対策推進法
3.いじめの構造
4.いじめの影響
5.いじめへの対応

6章 特別な支援を必要とする子どもへの対応
1.インクルーシブ教育システムの構築―子どもたちの多様化と教育ニーズに応えるために
2.発達障害とは
3.障害のある子どもへの対応―日本聾話学校の「聴覚主導の人間教育」
4.子どもの貧困
5.特定分野に特異な才能のある子どもへの対応
6.外国人の子どもと帰国生への対応

7章 医療機関における心理的支援と学校連携
1.心と身体症状のつながり―心身両義性を考えることと医療連携
2.精神科との連携の目的と意義―その判断のために
3.教室と診察室で見る児童,生徒の姿とは
4.背景にあるものは?―心理検査から見えてくる児童や生徒の真実をとらえる
5.教師のメンタルヘルスと医療的ケア
6.まとめ

8章 教育相談に活かせる心理療法の基礎理論と教師のメンタルヘルス
1.心理療法の基礎理論
2.予防・開発的教育相談を授業に生かす
3.「たすけて!」と言える教師―バーンアウトに陥らないためのストレス・マネジメント

9章 スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーの仕事―学校と地域の連携
1.学校を支える心理と福祉の専門家―スクールカウンセラー(SC)とスクールソーシャルワーカー(SSW)
2.アセスメントと教育委員会,学校,関係機関―学校と地域をつなぐ
3.学校と外部の専門機関の連携
4.さあ,つなごう!

10章 仲間関係を深める学級構造と学級集団づくり
1.現代の仲間関係の様相
2.仲間集団の排他性
3.学級集団の階層構造
4.学級集団構造を踏まえた学級集団づくり

11章 インターネット問題
1.ネットトラブル
2.ネットいじめ
3.インターネット依存
4.インターネット問題への対処

12章 性に関する教育相談
1.人権としての「性」
2.人格形成としての「性」
3.最後に

13章 学校危機と緊急支援
1.学校の危機管理
2.リスク・マネジメントとクライシス・マネジメント
3.リスク・マネジメント―「未然防止」がなぜ重要か
4.リスク・マネジメント―「未然防止」とは
5.クライシス・マネジメント―危機への対応
6.自殺について

コラム
1 コロナ禍におけるオンライン教育相談
2 高校教員の日々の教育相談
3 帰国生の適応と教育
4 小・中学生の仮想的有能感と学級における適応
5 学習環境におけるICTの今までとこれから
6 発達障害は「治す」もの?
7 日本聾話学校へようこそ―心を聴き合う生活がもたらす希望
8 日本の幼稚園と小学校での異文化体験
9 児童生徒理解を深めるためのアセスメントと心理検査
10 ワルシャワ日本人学校の教育
11 コロナ禍の音楽活動を支える授業づくりと展開
12 日本のLINEスタンプの特徴に見るデジタルコミュニケーションの文化差
13 「パントサウルスの歌」で学ぶ思いやりと性―英国の保育・教育
14 ベルギーの幼稚園への送り迎えから考える
15 学校生活を乗り越える―自殺と子どもの心のケア

著者略歴

編:大家 まゆみ
東京女子大学教授
編:稲垣 勉
京都外国語大学准教授

ISBN:9784779517778
出版社:ナカニシヤ出版
判型:B5
ページ数:148ページ
定価:2300円(本体)
発行年月日:2024年04月
発売日:2024年04月15日