エビデンスベースの教育心理学
心身の発達と学習の過程
編:榎本 淳子
編:藤澤 文
内容紹介
発達と学習過程の2部構成で、発達段階を踏まえた学習活動をわかりやすく学べる教職課程コアカリキュラム対応テキスト。学ぶべき心理学の理論は、どのような根拠をもとに提唱されたのだろうか。実験紹介で楽しく学ぶ。
●著者紹介
榎本淳子(えのもと・じゅんこ)
東洋大学文学部教授
藤澤 文(ふじさわ・あや)
鎌倉女子大学児童学部准教授
目次
序章 教育心理学の意義と方法
1.教育心理学の意義
2.教育心理学の方法
第I部 心身の発達
第1章 認知の発達
1.ピアジェの認知発達の理論
2.ピアジェ理論への反証
3.認知発達の領域固有性
4.認知発達への情報処理理論からのアプローチ
5.認知発達を支える基盤
■実験紹介A 偶発的な保存課題(いたずらなクマの実験):McGarrigle & Donaldson(1975)
■実験紹介B 信念についての信念(チョコレートはどこにある?):Wimmer & Perner(1983)
第2章 言語の発達
1.言語習得と教育
2.子どもの「学び」のメカニズム:言語習得の2つの認知的基盤
3.「教え」のメカニズム:共有基盤の構築
4.おわりに
■実験紹介 前言語児による合理的な模倣:Gergely, Bekkering, & Kiraly(2002)
第3章 パーソナリティの発達
1.個性・個人差
2.遺伝と環境
3.知能:知能検査・発達検査
■実験紹介A マシュマロ・テスト(満足の遅延 意志の力):Mischel & Metzner(1962)
■実験紹介B フリン効果(人類は賢くなっているのか):Flynn(1987)
第4章 社会性・道徳性の発達
1.新生児と養育者はどのように出会うか?
2.道徳性はどのように発達するのか?
3.学校教育における心理学視点を用いた道徳授業の展開
■実験紹介 報酬が子どもの向社会的動機づけに及ぼす影響:Fabes et al.(1989)
第5章 思春期・青年期の発達
1.身体・心理的発達
2.青年期の課題:エリクソンの心理社会的発達理論
3.対人関係の発達
■実験紹介 自我同一性の発達と妥当性:Marcia(1966)
第II部 学習の過程
第6章 学習の基礎:メカニズム
1.行動主義
2.条件づけ
3.認知主義
4.構成主義
■実験紹介 動物のこころを捉えた画期的な研究:Tolman(1948), Tolman & Honzik(1930), Suzuki et al.(1980)
第7章 動機づけ:やる気
1.内発的動機づけ・外発的動機づけ
2.自己決定理論
3.原因帰属
4.学習性無力感
5.自己効力
■実験紹介A 内発的動機づけに対する外的報酬の効果の実験:Deci(1971)
■実験紹介B 幼児を対象としたアンダーマイニング効果の実験:Lepper, Greene, & Nisbett(1973)
第8章 知識の獲得
1.記憶の仕組みと活用
2.学習に不可欠なメタ認知
3.学習方略と自己調整学習
■実験紹介A 作動記憶の処理資源と精神的圧力:Beilock et al.(2004)
■実験紹介B モニタリングの失敗例:Kornell et al.(2011)
第9章 授業の方法:教育の実践
1.主体的な学びを促すために
2.個に応じた学びを促す指導
3.ICTを使った学び
■実験紹介 テスト形式と習得目標の適正処遇交互作用:村山(2003)
第10章 評 価
1.教育現場における評価
2.評価の活用
3.評価と指導の関係
4.評価のポイント
5.ま と め
■実験紹介 「インフォームドアセスメントがテスト観に与える影響」の調査:鈴木(2012)
第11章 学級経営・学級集団
1.エビデンスにみる教師のあるべき姿
2.成果をあげる学級集団の作り方
■実験紹介A 教師期待効果に関わる研究:Rosenthal & Jacobson(1968)
■実験紹介B アッシュの線分実験:Asch(1956)
ISBN:9784779514777
。出版社:ナカニシヤ出版
。判型:A5
。ページ数:210ページ
。定価:2300円(本体)
。発行年月日:2020年04月
。発売日:2020年05月21日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JNA。