出版社を探す

環境ガバナンスとNGOの社会学

生物多様性政策におけるパートナーシップの展開

著:藤田 研二郎

紙版

内容紹介

ローカル・グローバルな事例から政府セクターと市民セクターが「協働」する条件とその際に生じる問題の構造を明らかにする。

目次

はじめに  

序章  環境ガバナンスはいかに論じられてきたか:行政とNGO のパートナーシップの理念と実態
 1 パートナーシップをめぐる動向 
 2 環境ガバナンス,パートナーシップの理念と実態
 3 本書の問いと構成 
 4 NGO・NPO の捉え方とセクターの区分


第1部 環境政策史・分析視角/方法:分析のために

第1章  パートナーシップの環境政策史
 1 市民セクターに向けた環境行政のまなざし
 2 資料と時期区分 
 3 協働・市民参加の萌芽期
 4 施策形成期とパートナーシップ
 5 選択的確立期と政策決定への参加
 6 協働・市民参加の意義とは?

第2章  連携形成条件の分析視角
 1 パートナーシップの分析に向けて
 2 環境政策過程論の諸アプローチ
 3 戦略的連携論の分析視角
 4 事例研究の方法 


第2部 外来種オオクチバス等の規制・駆除:ローカルな政策提言活動

第3章  NGO-漁業者団体-行政間の連携が形成されるまで
 1 オオクチバス等をめぐる社会的論争
 2 組織フレームの分析枠組
 3 論争過程の概要 
 4 第1 期におけるフレームのすれ違い
 5 第2 期におけるフレームの一致  
 6 連携はいかにして可能になったか?

第4章  ローカルなNGOの展開と政策実施体制
 1 規制・駆除の政策的成果  
 2 ローカルな環境NGOの展開 
 3 外来生物法の政策実施体制 
 4 不十分な体制の解消に向けて


第3部 生物多様性条約第10 回締約国会議:グローバルな政策提言活動

第5章  NGOのネットワーク組織における連携戦略と運動内的な帰結
 1 締約国会議という政治的機会
 2 運動組織間の連携  
 3 NGOネットワーク組織の分析 
 4 包摂戦略の帰結 

第6章  行政-NGO 間の連携形成をめぐる比較分析
1 日本政府に向けた政策提言
2 比較分析のための分析枠組
3 政策分野ごとの政策提言過程 
4 政策分野間の比較分析 
5 連携形成条件の選択性 

第7章  連携の持続と政策実施体制
1 締約国会議以降の状況
2 質的比較分析によるNGOグループの特徴
3 NGOによる事業展開
4 国連生物多様性の10年の政策実施体制 
5 NGO の事業に依存した体制


終章  本書の知見と環境ガバナンスに向けた問題提起
 1 事例研究のまとめ 
 2 他者変革性の発揮を阻む選択性
 3 政策実施体制の丸投げ 
 4 政策的成果の乏しさと循環構造
 5 今後の課題 


文  献
資  料

おわりに

事項索引
人名索引

著者略歴

著:藤田 研二郎
2011 年 東京大学文学部卒業
2017 年 東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了
     博士(社会学)
2017 年 立命館大学衣笠総合研究機構専門研究員
2018 年 株式会社農林中金総合研究所研究員(現在)
専門は、NGO・NPO 論、環境政策過程論。
主な論文に、「政策提言における環境NGO と政府の連携――生物多様性政策を対象とした比較分析」(『ノンプロフィット・レビュー』,2017 年)など。

ISBN:9784779513831
出版社:ナカニシヤ出版
判型:A5
ページ数:244ページ
定価:3600円(本体)
発行年月日:2019年03月
発売日:2019年05月10日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:TQ