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教養教育再考

これからの教養について語る五つの講義

編著:東谷 護
著:佐藤 良明
著:森 利枝

紙版

内容紹介

大学だけに閉じこもらない、広く市民にも開かれた教養を大学から考えるために、さまざまな角度からいま「教養教育とは何か」を考える

目次

まえがき――いま「教養教育とは何か」を考える

1章 専門という甘えの構造  佐藤良明

 1 はじめに
 2 専門家とは「便利な人」
 3 専門が決まらない
 4 東大駒場の英語改革
 5 日本の英語、苦闘の歩み
 6 英語の受け皿
 7 英文法は論理と心理の出会いの場
 8 実技の厳しさ、知識の甘さ
 9 英語には〈構文〉が一つある
 10 英語の専門家という人たち
 11 揺れる言語から真理を引き出す
 12 英語から身を守りつつ英語へと心を開く
 13 関係性のパターンと文化
 14 甘えとグローバリゼーション
 15 高度に安定的な甘えの制度
 16 負けるが勝ちの英語教育

2章 教養教育をどうとらえるか――歴史的視点から考える  森 利枝

 1 はじめに
 2 大学生が喪服で行進するとき
 3 教養教育の成り立ち
 4 日本の大学の教養教育
 5 教養教育のダイナミズム

3章 情報メディアの教養教育――人文社会情報学の視点から  伊藤 守

 1 はじめに
 2 人文社会情報学の領域
 3 従来のメディア教育――メディア・リテラシー教育
 4 メディア教育を切り拓くための二つの視点
 5 ポストメディア時代のメディア・情報教育
 6 小  括

4章 科学リテラシーはどこまで必要か  標葉靖子

 1 はじめに
 2 日本の科学リテラシー向上活動の来し方
 3 科学技術をめぐるコミュニケーションの歴史
 4 おわりに

5章 狭い音楽観からの解放  小島美子・塚原康子

 1 いまの日本の古い常識――音楽=クラシック
 2 明治以来、最近まで改められなかった音楽教育
 3 明治以前にはすべての音楽をまとめた「音楽」という概念はなかった
 4 私の音楽観の生いたち話
 5 音楽をクラシックの基準で評価する考え方、感じ方を捨てる
 6 総合討論

あとがき

著者略歴

編著:東谷 護
1965年神奈川県横浜市生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。
早稲田大学第一文学部(人文専修),東京芸術大学音楽学部(音楽環境創造科),東京大学教養学部後期課程(比較文学比較芸術コース)非常勤講師,成城大学文芸学部教授(共通教育研究センター専担)を経て,
現 在 愛知県立芸術大学大学院音楽研究科教授(音楽学領域)
専 門 音楽学,ポピュラー音楽研究,戦後日本文化史,初年次教育,教養教育論。

著:佐藤 良明
1950年山梨県生まれ。群馬県に育つ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退(英語英文学専攻)。東京大学教授、放送大学教授を経て、現在、東京大学名誉教授。専攻は英語圏文化。
著:森 利枝
1968年三重県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程中退。現在、大学改革支援・学位授与機構教授。専攻は比較高等教育論。

ISBN:9784779513756
出版社:ナカニシヤ出版
判型:4-6
ページ数:242ページ
定価:2600円(本体)
発行年月日:2019年03月
発売日:2019年04月30日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JN