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メディアの未来

メディア文化論

第2版

想像力の現在

編:遠藤 英樹
編:松本 健太郎
編:江藤 茂博

紙版

内容紹介

多様な形態のメディアが発達を遂げた現在、私たちをとりまく文化はどう変容しているのか。身近なことから考える好評テキストの改訂版

目次

第I部 メディアと文化の関係性を問い直す
第1章 バックミラーのなかのメディア文化:テクノロジーの隠喩的理解をとらえなおす(松本健太郎)
1 はじめに  
2 バックミラーごしにみえる「今」  
3 メディア・テクノロジーの隠喩的理解①:フータモの「トポス概念」
4 メディア・テクノロジーの隠喩的理解②:タークルの「インタフェース・バリュー」
5 メディア・テクノロジーの隠喩的理解③:ユールの「カジュアル革命」
6 おわりに 

第2章 貨幣というメディア:その機能と両義性(山本泰三)
1 はじめに 
2 メディアとしての貨幣 
3 万物の商品化 あるいは資本という形式
4 「売り」と「買い」 
5 賃労働:商品世界で働くこと
6 金融化する世界
7 貨幣の両義性 

第3章 「移動(モビリティ)の時代」におけるメディア的想像力:
「オタク」の終焉,「リア充」の終焉(遠藤英樹)
1 はじめに 
2 移動(モビリティ)の時代
3 〈新たな現実〉を生成させる移動(モビリティ)
4 「移動(モビリティ)の時代」におけるメディア的想像力
5 おわりに:「オタク」の終焉,「リア充」の終焉

第4章 メディアとしての地図の変容:グーグルマップから考える地図の想像力のゆくえ(松岡慧祐)
1 はじめに:メディアとしての地図
2 地図が表象するもの
3 地図の個人化  
4 地図の断片化 
5 おわりに:デジタル地図の新たな権力と想像力


第II部 社会関係からみるメディア文化

第5章 パワースポットの想像力と変容:メディア・ツーリズム研究の可能性(山口 誠)
1 パワースポット化する神社?
2 ニューエイジ的パワースポット(1980年代~2001年)
3 スピリチュアル的パワースポット(2002年~2009年)
4 デトックス的パワースポット(2010年~現在)
5 おわりに:メディア・ツーリズムと社会的想像力

第6章 メディアが「地域」を創る時代:コミュニティFMが創造する場(寺岡伸悟)
1 はじめに
2 メディアに「作られる」地域イメージ
3 作られることを「活かす」地域イメージ
4 コミュニティFM:メディアを飼いならす
5 地域メディアが創造する場 
6 おわりに 

第7章 パブリック・スピーキングとメディア社会:
『アメリカの大学生が学んでいる「伝え方」の教科書』を起点に(小西卓三)
1 はじめに 
2 パブリック・スピーキング,プレゼン,伝え方 
3 パブリック(公共性)とスピーキング(語り)の変容,および現行のパブリック・スピーキング教育実践 
4 結びにかえて:メディア時代のパブリック・スピーキングに向けて

第8章 ネット時代の自助活動:精神疾患を患う人々を事例として(前田至剛)
1 はじめに
2 精神疾患患者にとっての自助活動とネット
3 個人化とネット時代の自助
4 おわりに 

第9章 写真における障害者の身体:
「最後の人々」から「ポジティヴ・エクスポージャー」へ(塙 幸枝)
1 はじめに
2 「最後の人々」としての障害者表象 
3 「ポジティブ・エクスポージャー」における障害者表象
4 障害者の身体をめぐる両義性 
5 おわりに


第III部 映像表象からみるメディア文化

第10章 クリエイター化するプレイヤー:「プレイヤー空間」から派生したゲーム実況動画を考察する(山﨑裕行)
1 はじめに 
2 ゲーム史のなかで「ゲーム実況」がもつ意味
3 クリエイター化するプレイヤー 
4 「物語生成」からみるゲーム実況
5 企業の関与:ゲーム実況動画をめぐる外的要因
6 おわりに

第11章 マンガの「政治的無意識」:身体性を伴う「移動(モビリティ)」の反転像(ネガフィルム)(遠藤英樹)
1 はじめに
2 マンガから社会を見る  
3 社会の反転像(ネガフィルム)としてのマンガ
4 マンガと移動(モビリティ)

第12章 共鳴する身体と音:喜劇映画の「笑い」を増幅する音響効果(大傍正規)
1 喜劇映画がもたらす「笑い」とは何か
2 さかさまの世界に付随する音 
3 喜劇映画とアヴァンギャルド映画の架橋 
4 身体と音の共鳴

第13章 メディアを横断する少女:『時をかける少女』のメディアミックス(江藤茂博)
1 映像の中で変容する少女の物語
2 SFと純愛が出会う「記憶」の物語
3 『伊豆の踊子』との比較 
4 世代交代:「二次創作系」作品群の登場

著者略歴

編:遠藤 英樹
1963年生まれ。関西学院大学社会学部卒業、同大学院社会学研究科後期博士課程単位取得退学。社会学修士。現在、立命館大学文学部教授。観光社会学・現代文化論専攻。『ガイドブック的! 観光社会学の歩き方』(春風社、2007年)、『現代文化論』(ミネ ルヴァ書房、2011年)、『メディア文化論』(編著、ナカニシヤ出版、2013年)、他。
編:松本 健太郎
京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。二松学舎大学文学部専任講師。著書に,『メディア・コミュニケーション論』(共編著,ナカニシヤ出版,2010年)。
編:江藤 茂博
立教大学大学院文学研究科博士課程後期満期退学。二松学舎大学文学部教授。

ISBN:9784779511936
出版社:ナカニシヤ出版
判型:4-6
ページ数:244ページ
定価:2400円(本体)
発行年月日:2017年08月
発売日:2017年08月21日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JB