出版社を探す

法の支配のヒストリー

編:戒能 通弘

紙版

内容紹介

最新の研究を踏まえ、16世紀後半から20世紀前半のイギリス、18世紀後半から20世紀半ばのアメリカの法の支配の歴史をひも解く

目次

序 『 法の支配のヒストリー』が目指すもの(戒能通弘)

第1章 サー・エドワード・クックと法の支配
(Sir Edward Coke and the Rule of Law)
(マイケル・ロバーン/戒能通弘[訳])
1 はじめに
2 「正義と平和は,王権のみに属する」
3 「法が国王を創る」
4 管轄権についての論争
5 国家的理由
6 おわりに 

第2章 クック,ホッブズ,ブラックストーンと法の支配:
国会主権の確立と国王大権(戒能通弘)
1 はじめに  
2 クックのボナム医師事件判決と法の支配 
3 国王大権と国会主権:ホッブズとブラックストーン 
4 おわりに 

コラム①:クックのボナム医師事件をめぐる解釈の変遷 


第3章 正義の魂:ベンサムとパブリシティ,法と法の支配
(The Soul of Justice:Bentham on Publicity, Law, and the Rule of Law)
(ジェラルド・ポステマ/戒能通弘[訳])
1 はじめに 
2 パブリシティとその所産 
3 パブリシティと法の支配 
4 おわりに 

第4章 ダイシーと法の支配:形式性の背後面にある規範秩序(内野広大)
1 はじめに
2 国制における習律の位置づけ:独立した規範カテゴリとしての習律
3 憲法と習律の相互連関 
4 おわりに

第5章 マーシャル・コートと法の支配:違憲審査制と最高裁判所の原型(原口佳誠)
1 はじめに
2 違憲審査制の成立:マーベリー対マディスン事件
3 個人の権利の保障:契約の自由と自然権思想  
4 司法の独立:裁判官の専門性と客観性  
5 アメリカ社会と合衆国最高裁判所:違憲審査制の受容
6 人民立憲主義:法の支配への問い  
7 おわりに 

コラム②:マーシャル・コート研究の軌跡 

第6章 「 統治」の法としての憲法と「法の支配」:
ケント,ストーリーと初期アメリカ憲法学における「法の支配」の思想的起源(大久保優也)
1 はじめに 
2 思想的基礎 
3 「 法の支配」と憲法解釈:ストーリーの『合衆国憲法釈義』における「法の支配」
4 判例:「商業社会」の法
5 おわりに

第7章 ロックナー判決と法の支配(清水 潤)
1 はじめに 
2 アングロ・サクソニズム,歴史法学,古典的コモン・ロー理論
3 修正14条の成立と連邦憲法構造の変動 
4 コモン・ロー上の自由と憲法上の自由 
5 コモン・ローの正統性の剥奪と制定法による社会の変革へ
6 おわりに

コラム③:ロックナー判決の解釈の変遷

第8章 岐路に立つ法の支配(椎名智彦)
1 はじめに 
2 リアリズム法学の文脈・再論
3 包摂的デモクラシーの時代:ニュー・ディールからウォーレン・コートへ
4 プロセス学派の視角
5 おわりに 

コラム④:リアリズム法学のリアリティ

あとがき

著者略歴

編:戒能 通弘
1970年生まれ。同志社大学大学院法学研究科博士課程修了。博士(法学) 。同志社大学法学部教授。英米法思想史専攻。『近代英米法思想の展開―ホッブズ=クック論争からリアリズム法学まで』(ミネルヴァ書房, 2013年),『世界の立法者,ベンサム―功利主義法思想の再生』(日本評論社, 2007年)他。

ISBN:9784779511813
出版社:ナカニシヤ出版
判型:A5
ページ数:288ページ
定価:4300円(本体)
発行年月日:2018年03月
発売日:2018年03月15日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:LA