叢書 現代の社会学とメディア研究 1
グローバリゼーションと変わりゆく社会
編著:千田 有紀
編著:菊池 英明
内容紹介
1980~1990年代以降のグローバリゼーションの急速な展開に着目し、グローバリゼーションがもたらした経済成長の裏の貧困・格差の拡大、社会制度の大きな変化を、グローバリゼーションによる権力関係の変化、移民、教育、家族、社会運動、女性、労働の視座から読み解く。
目次
第1章 グローバリゼーション研究からみえる社会
0. はじめに
1. グローバリゼーションは、どう論じられてきたか
1-1:グローバリゼーションが引き起こす変化
1-2:グローバリゼーションをとらえる視点
2. グローバルな権力関係の変化を問う
2-1:不平等のグローバルな広がり
2-2:国民国家と権力
3. ローカルな場での読みかえに注目する
3-1:「グローバリゼーションのローカル化」
3-2:中国における有機農業をめぐる読みかえの争い
4. おわりに
第2章 移民とグローバルな人の移動──国際航空と9.11と在日外国人の接点とは
0. はじめに
1. トランスナショナルな人の移動のダイナミックス
2. 空港で出迎える相手を何と称するか
3. 9.11事件と映画『セプテンバー11』から読み解く人の国際移動
4. 移民が促す日本の「内なるグローバル化」
5. おわりに
第3章 グローバリゼーションと教育
1. 選択の自由の拡大は何をもたらすか?
2. 新自由主義的教育改革とペアレントクラシーの時代
3. 大学の自由化は何をもたらしたか?
4. 「Occupy Cal(オキュパイキャル)」
5. 近未来の日本の大学は?
第4章 グローバリゼーションと福祉・社会保障──「働かなくても全ての人が受けられる福祉」はなぜ必要か?
0. はじめに:グローバリゼーション下の福祉の困難
1. お金持ちにこそ福祉を受けてもらわねばならない:社会学的な福祉の見方
2. 戦争が福祉の水準と国民の連帯を発展させる
2-1:戦争と福祉
2-2:すべての人が受け取れる福祉を目指して
3. 脱工業化とグローバル化:労働市場の変化に伴う新しいリスク
3-1:脱工業化とグローバル化の進行・複合メカニズムと福祉国家の限界
3-2:国民的連帯の揺らぎと個人化の進行
4. 働かなくてもすべての人が受けられる給付:ベーシックインカム構想とそのねらい
4-1:ベーシック・インカム構想とその批判
4-2:誰と・いかにして助けあうか
第5章 日本の近代家族とその揺らぎ
1. 生涯未婚率の上昇
2. 家族の「当たり前」の解体
3. 欧米における近代家族論
4. 日本における近代家族論の受容
5. 「近代家族」の揺らぎ
6. これからの家族
第6章 変化する政治
0. はじめに:国会前の抗議行動
1. 「オキュパイ」:グローバル化した社会運動
1-1:世界をかけめぐる「占拠」
1-2:「オキュパイ」の特徴と前史
1-3:日本式「オキュパイ」
2. ポピュリズム:既成政治の動揺
2-1:グローバル化と国家
2-2:ポピュリズムの台頭
2-3:既成秩序の乗り越え方
3. おわりに:私たちと政治のこれから
第7章 「個人的なことはグローバルなこと」──国境を越える分業の再編とジェンダー
0. はじめに
1. あなたのスニーカーを作ったのはだれか
2. グローバル化と女性たちの「主婦化」
2-1:新国際分業のもとでの女性労働
2-2:「器用な指先」
2-3:「メイド・イン ジャパン」はいかに作られるか
3. 再生産領域のグローバル化とジェンダー
3-1:香港における女性労働の変化
3-2:再生産領域のグローバル化と私たち
4. おわりに
第8章 移住者の生活基盤形成の日米比較───ベトナム出身移住者の定着過程を事例として
0. はじめに
1. 移住国への統合過程
2. 米国におけるベトナム出身者のエスニック・ビジネス
3. 日本におけるベトナム出身者のエスニック・ビジネス
4. 結びにかえて
ISBN:9784779306815
。出版社:北樹出版
。判型:A5
。ページ数:135ページ
。定価:1800円(本体)
。発行年月日:2022年04月
。発売日:2022年03月29日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JHB。