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貧困と平和についての農民への手紙

著:ジャン・ジオノ
訳:山本 省

紙版

内容紹介

「戦争」に向かっている国家に歯止めをかけることができるのは農民しかいないと
ジオノは考えた。

ジオノは暮らしていたマノスクという町の周辺で暮らしている農民のことをよく知っていた。
自分で判断して行動するようにと何度も念入りにジオノは注意している。 あるラーメン屋が美味しいとマスコミが騒げば、たちまち自称「食通」たちが押しかけ長蛇の列を作る。高級と言われているブランド品をみんなが競ってあさる。大型娯楽商業施設に無数の人々が参集する。軽井沢や嵐山近辺が見どころだと観光業界が宣伝すると、すぐそれに乗せられる人々が後を絶たない。
政府の高官が、さあ今こそ反撃を開始しようとタイミングよく声をかければ、まるで羊の群れのように人々は「さあ、戦争だ!」と叫ぶかもしれない。私たちは自分が旨いと思うものを食べ、自分の楽しみは自力で発見したいものだ。桜が美しいのは桜の名所だけではない。道端に枝ぶりのいい桜が咲いていたりするのである。ジオノが指摘しているように、「戦争」に反対することは大変な勇気を必要とする。
政府やマスコミに簡単に操られることだけは何としても避けたい。どうしたらいいのか、
ジオノの著作は貴重なヒントを与えてくれるはずである。

著者略歴

著:ジャン・ジオノ
Jean Giono.1895~1970. 作家。プロヴァンス地方マノスク生まれ。16歳で銀行員として働き始める。1914年、第一次世界大戦に出征。1929年、長編小説『丘』がアンドレ・ジッドに認められ出版。第二次世界大戦では徴兵反対運動を行う。1939年、逮捕される。1953年の『木を植えた男』はジオノ没後、20数か国語に翻訳された。邦訳書に『蛇座』(山本省訳、彩流社、2021年)、『純粋の探究』(山本省訳、彩流社、2021年)、『大群』(山本省訳、彩流社、2021年)、『本当の豊かさ』(山本省訳、彩流社、2020年)、『青い目のジャン』(山本省訳、彩流社、2020年)、『丘 岩波文庫』(山本省訳、岩波書店、2012年)、『ボミューニュの男』(山本省 訳、彩流社、2019年)、『二番草』(山本省 訳、彩流社、2020年)他がある。
訳:山本 省
1946年、兵庫県生まれ。フランス文学者、信州大学名誉教授。1969年、京都大学文学部卒業。1977年、同大学院博士課程中退。1978年、信州大学教養部講師、のち農学部助教授、教授。2012年、定年。ジャン・ジオノを研究・翻訳。
主な著書・訳書に『南仏オート= プロヴァンスの光と風 ジャン・ジオノの故郷を旅する』『ジャン・ジオノ紀行 南仏オート=プロヴァンスの人と自然』『木を植えた男』『ボミューニュの男』『二番草』『青い目のジャン』『本当の豊かさ』『大群』『純粋の探究』『メルヴィルに挨拶するために』(彩流社)等がある。

ISBN:9784779129117
出版社:彩流社
判型:4-6
ページ数:256ページ
定価:3000円(本体)
発行年月日:2023年06月
発売日:2023年06月27日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DNL
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:DS