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イスパニア国王フェリーペ二世に裏切られた男

アントニオ・ペレスの帰郷

著:荻内 勝之

紙版

内容紹介

マドリード村歴史博物館にある歴史画に対し
25年ぶりの再会となったドン・キホーテ学者・荻内氏が
絵画に見出した「謎」とは……
荻内探偵は、その絵の細部に仕掛けられた歴史的事件の
「秘密」を発見した。さて、その展開や如何に!?

さて、史実をも記すとしよう。秘書官ペレスはフェリペ2世との確執から
逮捕され、1585年「役職剥奪」「宮廷追放(10年間)」「懲役2年」
「罰金」の判決が下る。拷問に負けずにペレスは脱獄しアラゴンへ行くが、
フェリペ2世は「アラゴン王」の名において、裁判所にペレスを再度起訴
する事態となり、異端審問にかけられることに。1591年、アラゴンでは
それを引き金に「フェリペ2世が司法を侮辱」と暴動が発生する。すかさず
フェリペ2世は鎮圧に軍を送ったのであった。その状況で、羊飼いに化けた
ペレスはピレネーを越えナバラへと逃れ、その後は、1593年にイングランド
へ行くこととなる。その地イングランドでは何度も暗殺の標的になり、更に
1595年には、アンリ4世の招きでフランスへ渡った三年後、漸く、1598年、
フェリペ2世が死去し、解放されたのだった。ペレスは1611年、パリで波瀾
の生涯を閉じることとなる。

著者略歴

著:荻内 勝之
おぎうち・かつゆき
1943年生まれ。神戸市外国語大学卒業、バルセロナ大学文学部
イスパニア研究科卒業、神戸市外国語大学大学院修士課程修了、
1970年、東京経済大学専任講師、助教授を経て教授。
神戸市外国語大学で『ドン・キホーテ』の訳者・高橋正武の教えを受け、
本邦・四番目に『ドン・キホーテ』を完訳。児童文学の創作や
『好色五人女』の研究も行うユニークな文学研究者。
著書に
『ドン・キホーテの食卓 新潮選書』(新潮社、1987年)、『スペイン・ラプソディ プロフェソール・オギウチのスペイン"的"ウォッチング 狂詩曲』(主婦の友社、1989年)、『コロンブスの夢 とんぼの本』(篠田有史 との共著、新潮社、1992年)、『おっ父ったんが行く 福音館日曜日文庫』(荻内勝之 著、桂川潤 画、福音館書店、1994年)、
訳書に
『ウナムーノ著作集 5』(所収「内部の調」訳、法政大学出版局、1973年)、『フェデリコ・ガルシーア・ロルカ 3 (1931-1936)』(所収「五…

ISBN:9784779127663
出版社:彩流社
判型:4-6
ページ数:540ページ
定価:3500円(本体)
発行年月日:2021年08月
発売日:2021年08月26日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DNB