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歴史のなかのラディカリズム

編:新谷 卓
編:中島 浩貴
編:鈴木 健雄

紙版

内容紹介

混迷と閉塞の現代にラディカリズムを再検証する!

現状を打破しようとする認識と行動を「ラディカリズム」と規定する
ならば、その担い手たちがいかなる思想を持ち、
その行動領域のなかでどのように何を成し遂げようとしていたのか。
本書は、その姿を大まかに
「抵抗ラディカリズム」と「対抗ラディカリズム」の二つに分類し、
政治学、歴史学、文学の独立した方法論のなかで、それぞれの出来事を
具体的な分析対象として論じ、現実に何が起こったのか、
そして主たるもの、あるいは主になりうるものに対する
反抗の運動形態は如何なるものだったのかを検証する。

現状打破と対抗アクションは19世紀や20世紀に限定されず、
現在でも多くの場で共通性を見出しうる。
その意味で、極めて対象領域の広い「ラディカリズム」を考察した
本書は、現在の混迷する時代への示唆に富む書である!

 主な目次
序 論 歴史の場としての「ラディカリズム」
  第一部 「対抗ラディカリズム」
第一章 三王国戦争期イングランド王党派ネイション概念と
ラディカルな契機──『月面の男』を手掛かりに………小島望
1 問題の所在
2 『月面の男』におけるネイション概念
第二章 ドイツ帝国の「反軍国主義」とプロイセン・ドイツ軍
における「対抗ラディカリズム」……………………中島浩貴
1 多様性のなかの「反軍国主義」──「対抗」文化としての
社会主義、自由主義の軍事論と平和主義
2 「反軍国主義」とプロイセン・ドイツ陸軍──研究史上の
問題と軍の現実認識
3 「反軍国主義」的軍事論と「対抗プロパガンダ」
終わりに──「反軍国主義」に対抗する対抗ラディカリズム
の形成
第三章 日本における反動右翼のラディカリズム──
「イデオロギーの内戦」1917 ~ 1941 年…………………新谷卓
1 「イデオロギーの内戦」とアンティ・共産主義
2 右翼とは何か
3 第一次世界大戦後の「イデオロギーの内戦」
4 急進化するイデオロギー
5 「イデオロギーの内戦」の終結と「想像の敵」
第二部 「抵抗ラディカリズム」
第四章 政治を超えたラディカリスト 福本和夫……清水多吉
1 後年の「フランクフルト学派」の人たちとの交叉
2 論壇に登場──「山川イズム」を批判
3 「コミンテルン」の非難で「水に落ちた犬」へ、そして逮捕
4 獄中一四年で得たもの
5 柳田国男を超えて──『日本ルネッサンス論』

目次

 主な目次
序 論 歴史の場としての「ラディカリズム」
  第一部 「対抗ラディカリズム」
第一章 三王国戦争期イングランド王党派ネイション概念と
ラディカルな契機──『月面の男』を手掛かりに………小島望
1 問題の所在
2 『月面の男』におけるネイション概念
第二章 ドイツ帝国の「反軍国主義」とプロイセン・ドイツ軍
における「対抗ラディカリズム」……………………中島浩貴
1 多様性のなかの「反軍国主義」──「対抗」文化としての
社会主義、自由主義の軍事論と平和主義
2 「反軍国主義」とプロイセン・ドイツ陸軍──研究史上の
問題と軍の現実認識
3 「反軍国主義」的軍事論と「対抗プロパガンダ」
終わりに──「反軍国主義」に対抗する対抗ラディカリズム
の形成
第三章 日本における反動右翼のラディカリズム──
「イデオロギーの内戦」1917 ~ 1941 年…………………新谷卓
1 「イデオロギーの内戦」とアンティ・共産主義
2 右翼とは何か
3 第一次世界大戦後の「イデオロギーの内戦」
4 急進化するイデオロギー
5 「イデオロギーの内戦」の終結と「想像の敵」
第二部 「抵抗ラディカリズム」
第四章 政治を超えたラディカリスト 福本和夫……清水多吉
1 後年の「フランクフルト学派」の人たちとの交叉
2 論壇に登場──「山川イズム」を批判
3 「コミンテルン」の非難で「水に落ちた犬」へ、そして逮捕
4 獄中一四年で得たもの
5 柳田国男を超えて──『日本ルネッサンス論』
6 検証されるべき遺産
第五章 1920/30年代 反体制派のなかの反対派──「転向」と
「山川イズム」、左派社会主義労働組合運動……ティル・クナウト
1 山川イズム
2 本所における左派社会主義的労働運動
3 人民戦線と転向
第六章 1920/30年代ドイツ小規模社会主義組織における
ラディカリズム──ISKとノイ・ベギネンを中心に……鈴木健雄
1 ISKのラディカリズム
2 ノイ・ベギネンのラディカリズム
おわりに代えて:二つの「ラディカリズム」から見えてくるものとは?
第七章 「戦後派文学」にとっての「戦後」理念──佐々木基一と
60年安保闘争…………………………………………………坂堅太
1 平野謙の「変質」
2 「近代」批判の反復とその意味
3 六〇年安保闘争に見出されたもの
4 安保闘争の二重性とその問題点
5 「戦後」理念の失効

著者略歴

編:新谷 卓
立教大学非常勤講師。あらや たかし
明治大学大学院博士後期課程修了、博士(政治学)。
著書等に
『比較外交政策──イラク戦争への対応外交』
(共著、明石書店、2004年)、
『55年体制の政治──一九五五~一九六四』
(共編、つなん出版、2005年)、
『冷戦とイデオロギー 一九四五~一九四七
 ──冷戦起源論の再考』(つなん出版、2007年)、
『クラウゼヴィッツと「戦争論」』
(共著、清水多吉・石津朋之 編、彩流社、2008年)、
『ドイツ史と戦争 「軍事史」と「戦争史」』
(共著、三宅正樹・新谷卓・石津朋之・中島浩貴 編著、
 彩流社、2011年)、
『終戦と近衛上奏文 アジア・太平洋戦争と共産主義陰謀説』
(彩流社、2016年)、
『軍事史とは何か』
(共訳、トーマス・キューネ、ベンヤミン・ツィーマン 編著、
 中島浩貴 他訳、原書房、2017年)などがある。編:中島 浩貴
東京電機大学講師。なかじま ひろき
1977年、北海道旭川市生まれ。
2003年、立正大学大学院文学研究科
    修士課程史学専攻修了。
2008年、早稲田大学大学院教育学研究科
    博士後期課程単位取得退学。
2017年、博士(学術、早稲田大学)取得。
 現在、東京電機大学理工学部共通教育群講師。
著訳書等に
『クラウゼヴィッツと『戦争論』』
(清水多吉・石津朋之 編、共著、彩流社、2008年)、
『戦争と近代  ポスト・ナポレオン200年の世界』
(石塚正英・工藤豊・中島浩貴・山家歩 編著、
 社会評論社、2011年)、
『ドイツ史と戦争 「軍事史」と「戦争史」』
(三宅正樹・新谷卓・石津朋之・中島浩貴 編著、
 彩流社、2011年)、
『軍事史とは何か』
(共訳、トーマス・キューネ、ベンヤミン・ツィーマン 編著、
 中島浩貴 他訳、原書房、2017…
編:鈴木 健雄
京都大学高等教育研究開発推進センター特定研究員。
すずきたけお
著書等に
『第一次世界大戦を考える』
(共著、藤原辰史 編、共和国、2016年)、
『軍事史とは何か』
(共訳、トーマス・キューネ、ベンヤミン・ツィーマン 編著、
 中島浩貴 他訳、原書房、2017年)などがある。

ISBN:9784779127571
出版社:彩流社
判型:A5
ページ数:218ページ
定価:2700円(本体)
発行年月日:2021年06月
発売日:2021年06月09日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JB