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盗みは人のためならず

著:劉 震雲
訳:水野 衛子

紙版

内容紹介

2012年に映画化された『温故一九四二』の作者にして、
現代中国きってのユーモア作家が描く人間喜劇!

開発ラッシュの北京を舞台に、自分の女房を寝取られた
主人公が、寝取った罪を認め数年後に数万元を払うという
相手の約束手形も盗まれて…。
そこに、政府高官が浮気の現場を押さえられたデータの
入ったUSBも盗まれるという事件が思わぬところで
絡み合い、やがて……。
政府高官、不動産王、工事現場監督、コック、スリ、
スリの元締め、売春兼業の美容院経営者、出稼ぎ労働者、
警官、偽酒製造業者たちが巻き起こす、
盗み盗まれての人間喜劇。
社会のあらゆる階層の人間たちが犯罪を犯して、
二重三重に絡み合う意外な展開を、
下世話でユーモアある語り口で描いた弱肉強食の中国社会!
※ 原タイトル『我叫劉躍進』

「…劉さんのユーモアは寸鉄人を刺す鋭い表現力だ。
そして、深刻なことを決して深刻には語らずに、
冷静な洞察力で導いた自論を洒脱な語り口で展開する。
私はいつも劉さんの話の面白さにさんざん笑った後で、
そのユーモアの背後にある深い意味に気づかされ、
なるほどなと思い至る。
それこそが劉さん自身と彼の小説の最大の魅力であり、
病みつきになる所以である。(訳者あとがきより)

著者略歴

著:劉 震雲
りゅう・しんうん
1958 年中国河南省延津県生まれ。
1973 年から1978 年まで人民解放軍兵士、
1978 年北京大学中国文学科入学、1982 年同大学卒業後
「農民日報」勤務、1987 年発表の『塔鋪』で注目される。
2003 年『手機』が映画化される。
2010 年『我叫劉躍進』(本作)が映画化される。
2011 年『一句頂一万句』で第八回茅盾文学賞受賞。
2012 年『温故一九四二』が映画化される。
邦訳は本作の他に『ケータイ」(桜美林大学北東アジア研究所)、
『温故一九四二』(中国書店)がある。
訳:水野 衛子
1958 年東京都生まれ。
1981 年慶應義塾大学文学部文学科中国文学専攻卆。
訳書に『中国大女優 恋の自白録』(文藝春秋社)。
『中華電影的中国語 さらば、わが愛 覇王別姫』
(キネマ旬報社)、『ジャスミンの花開く』(日本スカイウェイ)、
『セデック・バレ』(河出書房新社)がある。

ISBN:9784779121852
出版社:彩流社
判型:4-6
ページ数:421ページ
定価:2800円(本体)
発行年月日:2015年11月
発売日:2015年11月06日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB