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性と検閲

日本とフランスの映画検閲と女性監督の性表現

著:園山 水郷

紙版

内容紹介

性表現を考えるとき、忘れられない映画がある。
ヴィルジニー・デパントとコラリー・トリン・ティという女性監督による
『ベーゼ・モア』だ。

この映画が話題になった理由は過激な性描写と暴力表現。
上映途中で退出する観客が多数出た。ネガティブな印象にも
かかわらず、この作品のことがこころに引っかかった。
昔からの疑問と『ベーゼ・モア』がつながった。共通するのは「性描写」。
「見せるべきでない/見るべきでない」ものとされたから
隠されたわけである。それはなぜか。

検閲の歴史において問題とされてきたのは「性」表現。
映画の検閲はどのような歴史をたどってきたのか。
「性」はなぜタブーとされるのか。
問題作はなぜ問題作とされたのか。

著者が最も興味を持った作品が日・仏の作品だった。
本書は日本とフランスの映画における「検閲」を取り上げ、徹底検証する。

目次

[第一部]
日本の映画検閲制度の始まりとその後の変遷
(検閲の始まり: 上映禁止から検閲へ)
[第二部]
フランス映画の検閲の変遷
[第三部]
女性監督の描く「性」
(第1章)
ヴィルジニー・デパントとコラリー・トリン・ティ
(第2章)
カトリーヌ・ブレイヤ
(第3章)
浜野佐知

著者略歴

著:園山 水郷
(そのやま・みさと)
映画研究者、映像作家。津田塾大学学芸学部英文学科卒業。
イメージフォーラム付属映像研究所20期生。
パリ第1大学修士課程修了。
映画好きの父親の影響で映画に興味を持つ。
高校生の時は映画字幕翻訳の仕事に憧れていたものの
語学力の問題で断念したが、
前衛芸術レトリスムのアーティスト、
モーリス・ルメートルの『映画はもう始まったか?』、
『日仏版 神への道』DVD版字幕翻訳を担当。
イメージフォーラムでは実験映像という新しい世界に出会い、
映像制作の面白さと難しさ、奥深さを知る。
フランスの大学では、それまでただ好きで観ていた映画が
研究対象になり、自分自身と向き合うところから始め
『女性』と『性』というテーマを発見した。
主な研究テーマは性を描く映画、女性監督による映画、
また映画のなかで描かれる女性について、
検閲問題 前衛・実験映画など。
著書に<…

ISBN:9784779121586
出版社:彩流社
判型:4-6
ページ数:183ページ
定価:2000円(本体)
発行年月日:2015年08月
発売日:2015年08月03日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:ATF