「白人」支配のカナダ史
移民・先住民・優生学
著:細川 道久
紙版
内容紹介
多文化共生・多文化主義の国カナダの封印されたもうひとつの歴史を
ひもとき「北の白い大地」の「白さ ホワイトネス」を問う——
1971 年に「多文化主義」を採択して以来、多民族、多文化共生の試みを
続けるカナダ。しかし、かつてそこでは、「白人」による「非白人」の支配が
行われていた。ともすれば埋もれがちなカナダの歴史の諸相をあぶり出し、
その「闇」を直視することこそが、さらなる多文化共生の可能性を考える上で
いまこそ必要となるだろう。
目次
序論—問題の所在
第1部 白人社会の「内なる脅威」―精神障害者の処遇
第1 章 カナダにおける優生学
第2 章 優生学の展開(Ⅰ)―第一次世界大戦まで
第3 章 優生学の展開(Ⅱ)―第一次世界大戦から
1930 年代初頭まで
第4章 優生学の展開(Ⅲ)―断種法論議の再燃と衰退
第5 章 「中間的存在」の処遇と白人性
第2部 白人社会の「外なる脅威」―非白人の処遇
第1章 中国人移民と白人
第2章 先住民インディアンと白人
第3部 白人の序列化―1920 年代前半の移民政策を手が
かりに
【補論】
第1章 「好ましき国々」と「好ましからざる国々」
第2章 小委員会史料の分析
結論