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ジェンダー表象の政治学

ネーション、階級、植民地

編著:中井 亜佐子
編著:吉野 由利

紙版

内容紹介

われわれがもつジェンダーの概念とは、
すでに見知った世界をモデルとして構築された
規範にすぎないのではないか――
地域、時代、文化を横断し、既知のジェンダー規範に挑戦する試み。

歴史、文学、美術などを専門とする多彩な研究者が、人文学の視点から世界のさまざまな地域のジェンダー問題、とくに表象という側面に注目した、新鮮かつ刺激的な論考11編を収録。ジェンダーを単独・個別にではなく、ネーション(国民/民族)、人種、階級といった諸要素との関わりにおいて論じ、異なる地域、時代、社会を横断することで見えてくる、共有されるテーマを探る。一橋大学のリレー講義を基に加筆修正。

目次

◆収録内容(予定)◆
第一章 オリエンタリズムはいかに発明するか
――シャセリオーの絵画作品の受容をめぐって
喜多崎 親
第二章 フランスの「国民的料理」と女たち
中野知律
第三章 世紀転換期の古代女人像
――ホフマンスタール作『エレクトラ』
古澤 ゆう子
第四章 19世紀イギリスの選挙法改正と〈男らしさ〉の定義
井川ちとせ
第五章 『谷間の陰』のノラの表すもの
金井嘉彦
第六章 「堕落した女」と「聖女」
――アイルランドとイギリスを結ぶマグダレン言説再考
吉野由利
第七章 「国民」の創生
――白い男たちの帝国
越智博美
第八章 合衆国が個人主義の国になったとき女はどうなるのか
――冷戦期の西部劇『シェーン』と『真昼の決闘』
三浦玲一
第九章 肩が踊りだす
――崔承喜について
イ・ヨンスク
第十章 〈植民地/女性〉を語ること
――謝雪紅の評伝・小説・自伝をめぐって
洪 郁如
第十一章 ヴェールの自伝
中井亜佐子

著者略歴

編著:中井 亜佐子
一橋大学大学院言語社会研究科教授。著書、関連書に『ジェンダーから世界を読む』(関啓子・木本喜美子 編、明石書店、1996年)、『 ジェンダーから世界を読む 2』(中野知律・越智博美 編著、明石書店、2009年)、『他者の自伝 ポストコロニアル文学を読む』(中井亜佐子著、研究社、2007年)などがある。

◇執筆者(掲載順)
第1章
喜多崎親(きたざき ちかし)
一橋大学大学院 言語社会研究科 教授
専門分野19世紀フランス美術史
第2章
中野知律(なかの ちづ)
一橋大学大学院 社会学研究科 教授
専門分野フランス文学、マルセル・プルースト研究
第3章
古澤ゆう子(ふるさわ ゆうこ)
一橋大学大学院 言語社会研究科 教授
専門分野西洋古典学、独文学
第4章
井川ちとせ (いかわ ちとせ)
一橋大学大学院 社会学研究科 准教授
専門分野英文学
第5章
編著:吉野 由利
一橋大学大学院法学研究科准教授。著書、関連書に『ジェンダーから世界を読む』(関啓子・木本喜美子 編、明石書店、1996年)、『 ジェンダーから世界を読む 2』(中野知律・越智博美 編著、明石書店、2009年)などがある。

ISBN:9784779116087
出版社:彩流社
判型:4-6
ページ数:302ページ
定価:2800円(本体)
発行年月日:2011年03月
発売日:2011年03月23日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBS