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アメリカン・テロル

内なる敵と恐怖の連鎖

編著:下河辺 美知子

紙版

内容紹介

21世紀に求められる「知」の本質とは何か? 現代アメリカ文化への洞察をもとに恐怖の連鎖――テロという現象の重層性にせまる「ドン・デリーロの『リブラ』におけるテロリストの肖像」から「エコ・テロリズムの物語学」まで12の論点!

目次

目 次 恐怖の中で/恐怖を超えて思索すること
――序にかえて 下河辺 美知子

第1部 歴史にひそむ恐怖
一 シンパシーと恐怖   ――チャールズ・ブロックデン・ブラウン『エドガー・ハントリー』論  庄司 宏子
二 失われた歴史のテロル   ――ディートリッヒ・ニッカーボッカーのニューヨーク探索 若林 麻希子
三 部屋の中の男   ――トン・デリーロの『リブラ』におけるテロリストの肖像 都甲 幸治 

第2部 戦争と恐怖
四 『目覚め』のテロル   ――ケイト・ショパンと二つの戦争  舌津 智之 
五 恐怖の古層   ――戦争物語と極私性新田 啓子 

第3部 恐怖の数々はジャンルに宿る
六 「死」を生かすための写真術   ――『七破風の屋敷』における再現・表象  小宮山 真美子 
七 ハリウッド・ゴシック   ――一九三〇年代のホラー映画に見る恐怖の構造  大和田 俊之 
八 Is Oklahoma! OK?   ――『オクラホマ!』における生 政 治のメカニズム  日比野 啓 

第4部 共同体の中で恐怖について語ること
九 テロリストである可能性への恐怖   ――「内包」と全体主義の密やかな関係  下河辺 美知子 
十 Games People Play   ――『八月の光』におけるジョーと南部の権力ゲーム  源中 由記 
十一 内なる報復者   ――極右・パラノイア・反政府主義  権田 建二 
十二 語るのは誰か? ――エコ・テロリズムの物語学  巽 孝之 

著者略歴

編著:下河辺 美知子
アメリカ文学・文化、精神分析批評。成蹊大学教授。著書に『トラウマの声を聞く:共同体の記憶と歴史の未来』(みすず書房 2006年)、『歴史とトラウマ:記憶と忘却のメカニズム』(作品社 2000年)。監訳書に『トラウマへの探求:証言の不可能性と可能性』(C.カルース 作品社 2000年)。論文収録書に「『モーセと一神教』は二十一世紀の世界に何を伝えているのか?:集団のトラウマという発見」『埋葬と亡霊:トラウマ概念の再吟味』(人文書院 2005年)。雑誌論文に「『核』の空間/言語の空間:containment と deterrenceのレトリック」『アメリカ研究』第42号(2008年3月)、「文学研究が実践であり続けるために」『英語青年:特集文学系文化論の可能性』(2007年11月号)、「アメリカ国家のメランコリー:記号のパイオニア J. バトラーのスピーチ・アクト」『現代思想増刊号』第34巻第12号(2006年10月 青土社)、「デリダ・正義・アメリカ:"perhaps, perhaps"という声がする」『現代思想:特集ジャック・デリダ』(2004年12月号 青土社)、「俺じゃない、エイ…

ISBN:9784779114366
出版社:彩流社
判型:4-6
ページ数:320ページ
定価:2500円(本体)
発行年月日:2009年06月
発売日:2009年06月01日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JB