出版社を探す

ジャック・ロンドン幻想短編傑作集

著:ジャック・ロンドン
訳:有馬 容子

紙版

内容紹介

心の神秘を描くアメリカの巨人、知られざる作品集! 降霊術師を母に持つジャック・ロンドン…極北の自然を舞台にした『荒野の呼び声』『白い牙』の作家が、死の直前に描いた幻想に満ちた四編の初訳を含む五編で編む。

目次

〈収録作品〉
★「夜の精」 ソローの「人間の叫び」をちりばめ、人生の哀歓を語る作品。
★「赤い球体」 ユングの夢世界と神話的世界の入り交じる混沌の世界。
★「コックリ占い板」 人間の潜在意識に対する興味が見事に表れている作品。
★「古代のアルゴスのように」 夢の中で真実を見るという神秘的な能力を持つ男の物語。
★「水の子」 ハワイの神話と伝説と夢世界が溶け込んだ物語。
★「幻想文学作家」としてのジャック・ロンドン ―― 訳者解説

著者略歴

著:ジャック・ロンドン
Jack London 1876年、サンフランシスコで降霊術師を母として生まれたが、巡回占星術師であった父に認知されることはなかった。91年には缶詰工場で働く一方、養殖牡蠣の密漁にかかわったりする。94年、「ホーボー」の仲間入りをし、アメリカ北部とカナダの各地を放浪(『ジャック・ロンドン放浪記』)。96年、カリフォルニア大学バークレー校に入学するが、一学期で退学。ほとんど独学で当時の新しい思想を吸収した。97~98年クロンダイク・ゴールド・ラッシュに加わり、冬のユーコン河の流域で過ごす。広く読まれている『荒野の呼び声』や『白い牙』など極北の自然を舞台にした作品はこのときの経験がもとになっている。1907~09年、帆船でハワイや南太平洋の諸島を巡るが、途中で断念。以後、尿毒症、腎炎などを患い療養のためハワイで過ごすことが多くなる。1916年歿。
訳:有馬 容子
津田塾大学大学院博士後期課程終了。城西国際大学人文学部助教授を経て、現在、山脇学園短期大学英語科教授。 専攻/アメリカ文学。 著書、『マーク・トウェイン新研究―夢と晩年のファンタジー マーク・トウェインコレクション20』(彩流社、2002年)。共著、『クラブが創った国 アメリカ 結社の世界史 (5)』(綾部 恒雄 編、山川出版社、2005年)、『アメリカ小説の変容―20世紀文学への歩み 多文化時代への序奏 MINERVA英米文学ライブラリー8』(板橋 好枝 ・高田 賢一編・共著、ミネルヴァ書房、2000年)。訳書、『マーク・トウェインコレクション9 細菌ハックの冒険』 (マーク・トウェイン著、有馬 容子訳、彩流社、1996年〉ほか。

ISBN:9784779113918
出版社:彩流社
判型:4-6
ページ数:238ページ
定価:2400円(本体)
発行年月日:2008年10月
発売日:2008年10月14日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB