出版社を探す

意味の彼方へ[オンデマンド版]

ラカンの治療学

編:新宮 一成

紙版

内容紹介

フランスを代表する構造主義的思想家にして精神分析の巨人,ジャック・ラカン。本書はそのラカンの臨床の思想を解読すべく行われた国際シンポジウム「ラカン理論と臨床の深化」,および続いて開催された臨床セミナー,講演会を収録したものである。

 ジャック=アラン・ミレールを中心とするフランスのラカン学派の人々の講演,木村敏氏,北山修氏,三好曉光氏の発題による「他者」「言葉」の問題をめぐる白熱した討論など,きわめてラジカルで難解といわれるラカンの治療学を症例検討をまじえながら具体的に明らかにしている。

 ラカンは精神分析に間主観性という現象学的な概念を導入し,科学的な「意味の法則性」を発見しようとした。その足跡は精神医学に立脚した人間理解のための一大業績であり,ラカンの洞察や定式は心の臨床家にとって極めて重要なキーワードとなろう。

目次

■第Ⅰ部 精神分析と現象学
1.精神分析の展望…三好曉光 2.精神分析と哲学…ジュディット・ミレール/精神分析と社会思想をめぐる討論 3.分裂病の詩と真実…木村敏 4.精神分析経験--現象から構造へ…ジャック=アラン・ミレール/精神分析と現象学をめぐる討論
■第Ⅱ部 言葉と臨床
1.物事と言葉--「つながり」の錯覚…北山修/北山修氏の症例をめぐる討論 2.症状とは何か…ジャン=ルイ・ゴー 3.大文字の他者の諸相…ピエール・スクリャービン/ラカンの精神分析の諸概念をめぐる討論
■第Ⅲ部 ミレール教授の精神分析実践論セミナー
 --フロイトとラカンの治療学に沿った症例検討
1.総論…ジャック=アラン・ミレール 2.症例検討
■第Ⅳ部 ラカン理論と精神病をめぐる諸問題
1.講演…ジャック=アラン・ミレール/討論

ISBN:9784772490412
出版社:金剛出版
判型:A5
ページ数:280ページ
定価:5200円(本体)
発行年月日:2020年10月
発売日:2020年10月08日