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思春期の心の臨床

第3版

日常診療における精神療法

著:青木 省三

紙版

内容紹介

著者は,時代とともに変容する家族,学校,社会を視野に入れながら,時を経ても変わらざる子どもや若者の心性に寄り添ってきた。本書には「思春期臨床は,クライエントの現実の〈人生の質・生活の質〉を向上させるものでなければならない」との思いが貫かれ,児童・思春期臨床四十余年の臨床経験が凝縮されている。

 今回の第三版では,従来の章の加筆修正に加えて,発達障害やトラウマ,チーム・アプローチや薬物療法などの10章を新たに追加,大幅な改訂増補となった。クライエント一人ひとりの個別性を尊重し,次につなげる道筋が見えてくる,心理療法面接に関する臨床的知見の宝庫といえよう。

目次

序章:思春期外来から見えるもの
□第Ⅰ部 思春期臨床の基本的視点
思春期の治療を引き受ける時
精神科面接の基本
児童青年期の臨床的発達論
青年の内的世界と現実――能動性と受動性
思春期における薬と精神療法
思春期における支持的精神療法
思春期・青年期におけるチーム・アプローチ
集団体験について(その1)――ひきこもり青年とたまり場
集団体験について(その2)――さまざまな「動き」を通して
こだわりスペクトラム――日常臨床における活用概念として
子どもの治療や支援の中で,薬物療法をどのように位置づけるか
*エッセイ:精神医学における曖昧さと明確さ
□第Ⅱ部 思春期臨床の現場から――治療と支援の実際
思春期面接のすすめ方
思春期・青年期の治療に活かす心理アセスメントの実際
青年期患者に対する森田療法的アプローチ――社交不安障害をはじめとして
*エッセイ:家族の姿
不登校を考える
境界例,境界性パーソナリティ障害
摂食障害
転換性障害
解離性障害
強迫性障害――主として不潔恐怖を中心として
青年期の自己破壊を考える
青年と不安
自閉スペクトラム症の診断をめぐって――主として思春期以降の例について
自閉スペクトラム症に対する精神療法的アプローチ
おとなの発達障害
*エッセイ:「趣味人」として生きる
思春期臨床とトラウマ
私なりの精神療法,心理療法の学び方
*エッセイ:民芸と精神科治療
私の青年期臨床――これまで,そしてこれから
あとがきに代えて――癒しの鳥

ISBN:9784772417952
出版社:金剛出版
判型:A5
ページ数:392ページ
定価:4200円(本体)
発行年月日:2020年12月
発売日:2020年12月02日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:MKM