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催眠心理面接法

編:田中 新正
編:鶴 光代
編:松木 繁

紙版

内容紹介

永い歴史の中で培われてきた催眠の知見を習得することは,催眠から生み出された技法だけでなく,すべての心理面接技法のスキルアップに有効な手段となる。

本書では,心身を始めとするさまざまな心理的な問題を抱えるクライエントへの援助としての心理臨床活動において,広い意味での「催眠」を用いる心理面接を「催眠心理面接法(Hypno-psychotherapy)」と呼ぶ。
「催眠心理面接法」は,「催眠導入プロセス(自己努力)」,「催眠自体(トランス自体)」,「催眠事態(状態・場・触媒)」という催眠導入暗示から解催眠暗示までの一部の要素を活用するものから,一連の要素を活用するすべての催眠面接法を包括したものである。

臨床心理士・公認心理師はじめ心理臨床に携わるすべての臨床家・研究者に,実践や研究に役立つ催眠に関する情報を提供することを目的として,本書は事例を重視し,第?部の「催眠心理面接法の実際――『架空事例』にみる臨床適用」では,催眠面接時でのクライエントとセラピストのやり取りを具体的に紹介,第?部の「コラム」においてもできるだけ事例を取り上げている。
また,第?部の「概説」では,催眠の歴史から始まり,催眠に関する最新の研究動向と催眠面接の新しい考え方を提案する。

目次

巻頭言に代えて 心理学における催眠の位置づけ●成瀬悟策

第Ⅰ部 概説
1 心理療法としての催眠―催眠心理面接法の種類●田中新正 & 松木 繁
2 催眠の歴史●笠井 仁
3 催眠と暗示●松木 繁
4 催眠の基礎実験研究●鈴木常元
5 近年の海外の催眠研究・臨床研究の動向●片山宗紀
6 催眠から生まれた心理療法●鶴 光代 & 松木 繁
7 催眠心理面接の基本技法による心理臨床スキルアップ●田中新正
8 催眠心理面接法の臨床実践に向けて――いかなる場面でどのように適用するか●松木 繁

第Ⅱ部 催眠心理面接法の実際――「架空事例」にみる臨床適用
1 睡眠障害(悪夢)事例への催眠イメージ面接●鶴 光代
2 強迫性障害事例への催眠臨床動作法●鶴 光代
3 解離性障害(解離性健忘)事例への催眠適用●松木 繁
4 トラウマおよびPTSD治療における臨床催眠●仁木啓介
5 重度逆流性食道炎への催眠療法●田中新正
6 過敏性腸症候群への催眠療法●松原 愼
7 慢性疼痛患者のための催眠療法●●水谷みゆき
8 空手選手と自律訓練法●楠本泰久

第Ⅲ部 心理面接における催眠適用と可能性
1 習癖への催眠適用●窪田文子
2 夜尿症(尿失禁症)などへの催眠適用●田中新正
3 乗り物酔い(動揺病)への催眠●田中新正
4 不安障害を支援する催眠法●長谷川明弘
5 不登校事例への催眠トランス空間の適用●八巻 秀
6 ストレス障害●飯森洋史
7 パニック障害・広場恐怖に対する催眠療法●川嶋新二
8 歯科における催眠面接法●石井広志
9 スポーツと催眠●藤木太陽
10 心理面接における催眠の導入●鈴木義也

ISBN:9784772417822
出版社:金剛出版
判型:A5
ページ数:250ページ
定価:3400円(本体)
発行年月日:2020年11月
発売日:2020年11月11日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:MKM