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自我状態療法

理論と実践

著:ジョン・G・ワトキンス
著:ヘレン・H・ワトキンス
他監:福井 義一

紙版

内容紹介

自我状態療法は,「自己内家族」を構成する自我状態間の葛藤を解決することを目的とする,個人療法,集団療法,家族療法を活用した催眠分析の発展型と表現できるサイコセラピーである。もともと多重人格や解離性障害の治療を主たる目的として生まれたわけではないが,近年の身体志向のトラウマ・ケアの考え方を大胆に取り入れつつ,現在進行形でさらなる進化を続けている。
本書は,自我状態療法を考え出したジョン・G・ワトキンス,ヘレン・H・ワトキンスによる『Ego States : Theory and Therapy』の全訳で,自我状態療法の背景にある理論をしっかりと理解でき,各々の自我状態の起源や存在,機能を尊重したうえで,全体的なパーソナリティへの統合を支援する指針となるだろう。
解離性同一性障害をはじめとする解離性障害や自我状態の不安定な人たちを,どのように理解し,治療に結びつけ,治療していくか考えるうえで重要な一冊であり,日本における自我状態療法の普及とトラウマ・ケア発展の大きな一里塚となることに疑いはない。

目次

日本語版への推薦文―知恵の足跡を残して……(ヴォルテマーデ・ハートマン)
監訳者まえがき―我が国における自我状態療法史(福井義一)
まえがき(アーネスト・フェダーン)
序文(ジョン・G・ワトキンス)
第1章 パーソナリティとその発達
第2章 エネルギーとパーソナリティ機能
第3章 自我状態の性質と機能
第4章 解離
第5章 無意識的プロセスと精神力動的理解
第6章 多重人格の交代人格における精神力動的動静
第7章 正常な人の自我状態
第8章 自我状態療法の原則
第9章 自我状態療法のテクニックと戦術
第10章 特殊な手続き
第11章 短期催眠分析的自我状態療法
第12章 心理療法のアウトカム・リサーチ
第13章 自我状態療法の効果性と効率性―妥当性の研究
第14章 砦を守るは番人なり―困難で複雑な一例
第15章 早期トラウマの治療と洞察
第16章 解離・統合―個人間,個人内,国家間の観点
脚注
文献
監訳者あとがき(田中 究)

ISBN:9784772416795
出版社:金剛出版
判型:A5
ページ数:360ページ
定価:5400円(本体)
発行年月日:2019年02月
発売日:2019年02月07日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:MKM