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離婚と子どもの司法心理アセスメント

子の監護評価の実践

著:ジェリ・S・W・フールマン
著:ロバート・A・ジーベル
他訳:田高 誠

紙版

内容紹介

離婚後の子の生活,親子関係の持ち方について両親の意見が相違した場合の司法手続に対し,心理的側面からどのようなアセスメントが提供できるか。子の監護評価は,司法手続に関係する心理的アセスメントの中で最も複雑で困難なものと評される。本書は,米国における離婚と子どもをめぐる司法心理アセスメントの実践基準と要点を示し,「子の最善の利益(子の福祉)」を焦点とする実務にかかわるリソース・実証的知見・技能を具体的に紹介しながら,この領域の心理専門家が直面する固有の困難に指針を提供する。家庭裁判所調査官はもとより離婚の問題に直面している親子に関わる臨床家,さらには心理的アセスメント報告を法的判断に活用する裁判官・弁護士など,〈心理-法的〉概念を通して離婚と子の監護にかかわるあらゆる関係者必携。

目次

[基礎]
第1章 法的側面
第2章 司法精神保健の概念
第3章 実証的な基盤とその限界
[適用]
第4章 評価の準備
第5章 データの収集
第6章 解釈
第7章 報告書の作成と法廷での証言
[付録]
参考文献
主要用語

著者略歴

著:ジェリ・S・W・フールマン
マサチューセッツ医療大学の精神医学・小児科学の准教授,子と家庭司法センター長である。子と家庭司法センターは,精神医学分野の臨床・教育センターであり,法的決定が子の生活に影響を与える場合には裁判所のための評価を行っている。Fuhrmann博士は,別居親のための親教育プログラムParents Apartの共著者であり,これはドメスティックバイオレンスの問題に対する感度により全国的に知られている。知事から授与される最高の賞である,公共サービスにおいて優秀な者に対するマニュエルカバリョ賞を2001年に受賞した。臨床上の関心と実践の領域は,特に別居後の養育,ドメスティックバイオレンス,親の別居の(特に特別なニーズを有する)子に対する影響といった児童司法心理学,そして小児心理学に焦点があてられている。子の監護に関する司法評価,相談,別居親のペアレンティング・コーディネーターを実践するとともに,指導している。地元での研修と相談に加え,地元の会議や全国的な会議で,何度も子の監護に関する問題の報告を行っている。
著:ロバート・A・ジーベル
マサチューセッツ州フレーミングハムで,Tananbaum & Zibbell心理センターを開業し,実践している心理士である。家庭裁判所で,子をめぐって争っている訴訟当事者の家族評価を行い,また,離婚した両親や未婚の両親のペアレンティング・コーディネーターとして,生じている子に関する紛争の解決に向けた援助も行っている。これらの領域の専門家の実践に関する問題についての刊行物を執筆している。過去20年以上にわたり,地元や全国的なさまざまな会議でアセスメントと実践に関する問題を報告し,家庭裁判所のプロベーションオフィサー,精神保健の専門家,家族法に関わる弁護士,そして司法の職員に対する研修を行っている。
他訳:田高 誠
1976年 北海道に生まれる
1999年 京都大学教育学部卒業
2007年 放送大学大学院修士課程(臨床心理プログラム)修了
1999年より札幌家庭裁判所,大阪家庭裁判所,徳島家庭裁判所,最高裁判所,神戸家庭裁判所姫路支部で勤務。現在大阪家庭裁判所家庭裁判所調査官。臨床心理士。

ISBN:9784772414999
出版社:金剛出版
判型:A5
ページ数:240ページ
定価:4200円(本体)
発行年月日:2016年07月
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:LNB