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地理・地誌・地理学の論理構造

著:田邉 裕

紙版

内容紹介

地域の実体=「地理」を言語化して「地誌」を記述し、さらに理論化して「地理学」に深化させる。第1部では、地域の実体を表す「地理」はなぜ言語化することが難しいのかを《知の構造》から明らかにする。第2部では、ヨーロッパと日本を例に、「地理」を言語化して記述する「地誌」の試みを掲げる。第3部では、都市地理学を例に、「地誌」を理論化し科学としての「地理学」に深化させる過程を示すとともに、科学史における日本の地理学の特質をふまえ、新たな地理学の可能性を探る。

目次

【第1部 知の構造-言語は地理を表現できるか-】
第1章 言語と地理学
第1節 人類と言語
第2節 言語の機能と環境
第3節 環境の非言語性
第4節 言語文化の呪縛
第5節 言語からの脱出
第2章 歴史学と地理学
第1節 物語り
第2節 現象・実体の蒐集(現地調査)
第3節 記述
第4節 分類と比較
第5節 解釈と分析
第6節 記述的学問と近代科学
第3章 地理から地誌、地理学へ
第1節 現象としての地理
第2節 地誌と地理教育
第3節 地誌の歴史性
第4節 地誌から地理学へ
第5節 概念的なまとめ

【第2部 地誌-地理を言語化する-】
第4章 ヨーロッパ-土地のたたずまいと農業-
第1節 風景に見る地形
第2節 諸地域の気候
第3節 風土と人々
第4節 ヨーロッパ農業の展開
第5章 ブルターニュとその小さな農村
第1節 ブルターニュに入る
第2節 ブルターニュとブルトン人
第3節 ブルターニュの農業
第4節 ブルターニュの小さな村
第5節 まとめに代えて
第6章 地政学のための日本地誌試論-外国人に向けて-
第1節 日本の立ち位置
第2節 与えられた土地
第3節 中央と地方
第4節 八百万の神々
第5節 日本の国力

【第3部 地理から地理学へ-都市地理学を例に-】
第7章 中心地と都市の立地理論
第1節 立地と分布(クリスターラー理論の概要)
第2節 都市分布論の考察
第3節 都市と集落
第4節 都市の初期立地(地誌から地理学へ)
第5節 都市集落立地の一般的要因
第6節 立地論の行くえ
第8章 大都市圏に併呑される地方都市
第1節 大都市圏の周辺の中都市-八王子-
第2節 大都市圏周辺の小都市-府中-
第3節 大都市圏周辺の動態的視点
第9章 都市の内部構造理論の深化
第1節 都市内部構造理論の概要
第2節 都市の内部構造理論に対する反響
第3節 文化と歴史性を取り込んだ都市の内部構造
第10章 都心概念と市民
第1節 都心が指すもの
第2節 都心の機能別地域分解と市民生活の分裂
第3節 大都市圏の住民と市民
第4節 都心分析からみた市民像
結章 日本の地理学とその可能性
第1節 科学史における日本の地理学
第2節 正統派近代地理学
第3節 異端派伝統地理学
第4節 日本の地理学の可能性

ISBN:9784772253543
出版社:古今書院
判型:A5
ページ数:402ページ
定価:7200円(本体)
発行年月日:2024年03月
発売日:2024年04月04日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:RG