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東北アジアの社会と環境

越境者の人類学

家族誌・個人誌からのアプローチ

編:瀬川 昌久

紙版

内容紹介

従来のエスニックグループの民族誌やコミュニティの分析から、「家庭」「個人」を描くことで、その要因を明らかにした移民研究。

目次

巻頭言 岡 洋樹
はしがき/瀬川昌久

第1章 中国朝鮮族の国境を越える移動―家族のライフストーリーからの接近(李 華)
家族誌―越境する中国朝鮮族を捉える視座/越境する家族―韓国への逆移動とトランスナショナルな家族の形成/トランスナショナルな家族を生きる―越境を支える家族の営み/家族の持続なる越境を可能にするものとは

第2章 なぜ彼らは海外を目指したのか―中国福建省の不法移民のライフストーリーから(兼城糸絵)
本章の射程/移民を送り出す村―龍門村の概要/村から日本へ/日本での生活―新たな社会関係の構築,労働,送金/帰郷と帰郷後の生活/不法移民の生き方からみえてくること

第3章 「異者」(ストレンジャー)のなかで生きる―2人の移動する個人のライフストーリーを事例に(リーペレス ファビオ)
問題の所在/「外国にルーツをもつ人々」と呼ばれてきた人々/移動する個人のライフヒストリー/移動した常態化した人々の生き方


第4章 台湾外省人の移動をめぐる選択過程―中華民国体制支持と台湾社会への愛着のはざまで(上水流久彦)
移動問題にみる外省人の位置づけ/本土化への外省人の反発と中華民国体制支持/他者化した故郷と台湾社会への愛着/移動問題にみる「構成者」という要素

第5章 脱ヘル朝鮮という希望―もうひとつの非政治経済的な移民動機の事例研究(太田心平)
絶望移民からの教訓/政治経済の問題としてのヘル・チョーセン/気持ち悪さと区別の美学/移民を観る目……をうかがう目

第6章 珠江デルタにおける人の移動の変遷―ある家族の三世代に着目して(川口幸大)
人が動くということ・動かないということ/フィールドについて/25世たち―20世紀初頭の生まれ/26世たち―1949年前後の生まれ/27世たち―1980年代から現在/故郷から離れないということ

第7章 《一時滞在者》の社会的ネットワークに関する人類学的研究―在日中国人技能実習生を例として(李 斌)
一時滞在者としての技能実習生/来日前の準備/日本滞在中の生活/帰国後の生活/行動主体としての技能実習生

第8章 越境者をめぐる個人誌・家族誌記述について―華僑文学を題材に(瀬川昌久)
フィクションと民族誌の間/華僑小説における越境者の個人誌・家族誌的記述/結びに代えて

あとがき/瀬川昌久

ISBN:9784772253093
出版社:古今書院
判型:A5
ページ数:166ページ
定価:3800円(本体)
発行年月日:2018年03月
発売日:2018年03月06日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KC