シリーズ転換期の国際政治19
グローバル関係の思想史
万有連関の世界認識研究へ
著:芝崎 厚士
内容紹介
「未知との出会い」が世界をつくる
いかにしてこの世界全体をくまなく捉えきるグローバル関係の理論・思想・哲学は可能であるか.
国際関係研究批判を出発点に, 時空論, ネグリ・ディラン・賢治・溝口からペダゴギーまでを一気に踏破する「生ま身の人間の運動」としてのヴァーサタイルな知のジャグリングの書.
目次
序 章 万有連関の世界認識としてのグローバル関係の思想史
1 Un Poco Loco (take 1, 2, 3)―「国際関係研究」から「グローバル関係研究」へ?―
2 空間・時間・時空―国際関係・国際関係研究を規定するもの―
3 「未知との出会い」からプルリバース・ノンヒューマンまで
4 not → , but ⇄ ―〈ナワ―ル〉としての〈グローバル関係〉―
第Ⅰ部 論論・学学
第1章 国際関係研究の将来
―国際関係の研究からグローバル関係の研究へ―
はじめに―二つの多元主義を超えて―
1 学問のできあがり方
2 視点の継ぎ足しと領域の建て増し
3 理論的アポリア
4 視点と領域の初期化と再設定
5 国際関係の研究からグローバル関係の研究へ
おわりに
第2章 ディシプリンの国際文化交渉
―日本の国際関係研究とIRの関係史序説―
1 「国際関係研究」をいかに研究するか
2 ディシプリン間関係史の対象と方法
3 国際文化交渉と文化の多義性・重層性
4 「物としての言葉」と「未知との出会い」
5 「未知との出会い」としての国際文化交渉
6 日本の国際関係研究の「共有の方法」?
第3章 日本の国際関係研究における「固有の課題」と「共有の方法」
―国際文化交渉論の視点から―
はじめに
1 近年の先行的試み
2 学問の構造における特殊/普遍
3 多文化・多言語状況下における特殊/普遍
4 グローバル・ヒストリーにおける特殊/普遍
おわりに―日本の国際関係研究における《固有の課題》と《共有の方法》―
第Ⅱ部 空間・時間
第4章 国際関係研究における「帝国」と〈帝国〉
はじめに
1 基本的前提
2 国際関係研究からみた〈帝国〉
3 国際政治学からみた「帝国」
4 「国際」と〈国際〉、「帝国」と〈帝国〉
おわりに
第5章 ウェストファリア史観と国際関係研究
はじめに
1 学知における神話―予備的考察―
2 国際関係論におけるウェストファリア史観と「第三の認識」
3 ウェストファリア史観への注釈としての国際関係論史
おわりに
第6章 国際関係研究における時間論
―「脱・代入型/脱・脱却型」時政学の理論的展望―
1 問題の所在と議論の要諦
2 国際関係論にける「時間論的転回」の展開
3 哲学的時間論から見た〈社会〉科学―大森荘蔵―
4 比較社会学的時間論から見た<社会>科学―見田宗介(真木悠介)―
5 学問における時間論的解放と世界・人間における時間論的解放
第Ⅲ部 アート・クンスト
第7章 グローバルな革命のてがかりとしての児童文学
―『山椒大夫』と『グスコーブドリの伝記』の比較分析―
はじめに
1 「山椒大夫」
2 「グスコーブドリの伝記」
3 両者の比較
おわりに
第8章 「ボブ・ディランという音」と平和学
―ポール・ウィリアムズのディラン論を中心に―
1 「ディランを聴く」とはどういうことか
2 体験としてのディラン
3 パフォーミング・アーティストとしてのディラン
4 「ディランという音」と社会科学的学問研究
第9章 Are you experienced? 体験としての音楽
―とある授業の実践摘録―
はじめに
1 授業内実践の形式と内容
2 感想に基づく分析
3 近年の事例より―応援ソングと革命ソング?―
ISBN:9784771038332
。出版社:晃洋書房
。判型:A5
。ページ数:328ページ
。定価:4600円(本体)
。発行年月日:2024年03月
。発売日:2024年03月15日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JPS。