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生成の美と論理

ホワイトヘッドの形而上学

著:有村 直輝

紙版

内容紹介

1924年以降のホワイトヘッドは「有機体の哲学」と呼ばれる独自の形而上学体系を構築する。本書はこの形而上学の形成の背後に論理と美の問題系があったことを、彼の著作及び近年刊行された講義録の読解から明らかにする。

目次

凡例
序論
1. ホワイトヘッドの用語法と思弁哲学
2. ホワイトヘッドの信念
3. 本書の仮説と問題設定
4. 〈論理学と美学〉の問題の哲学史的背景
5. ホワイトヘッドの形而上学と〈論理学と美学〉を繋ぐ視点
6. 先行研究との差異
7. 本書の構成
緒論――『思考の諸様態』の「理解」の章――
0. 本緒論の問題設定
1.「理解」の章前半部
2.「理解」の章中間部
3.「理解」の章後半部
4. 本緒論のまとめと考察

第一部 1924-25年の過渡期形而上学と〈論理学と美学〉の問題

第一章 ハーヴァード講義における「思弁哲学」
1. ハーヴァード講義録の基本情報
2 1924-25年ハーヴァ-ド講義における「思弁哲学」
第二章 過渡期形而上学と論理学
1. 形而上学と論理学との関連性
2. 論理学を説明する三つの概念
  3. 本章のまとめ 
第三章 過渡的形而上学と美学
0. 本章の導入
1. ハーヴァード講義における二重の試み
2. 他の哲学者の概念の読み替え
3. 芸術作品の美的価値
4. 本書のまとめと「美的調和」についての解釈
5. 第一部のまとめ,および第二部への接続

第二部 1929年以降の形而上学と〈論理学と美学〉の問題
第四章 ホワイトヘッドの論理学史観と美学の関係
0. はじめに
1. プラトン『ソフィステス』:混合と問答法
2. プラトンからシェーファーへ:両立不可能性
3. 記号論理学の拡張と美学
4. 本章のまとめ
第五章 思弁哲学と有機体の哲学
0. はじめに
1. 思弁哲学の二つの基準:十全性と整合性
2. 「有機体の哲学」の基本的図式と概念
3. 有機体の哲学における「美的経験」
第六章 有機体の哲学における二種類の両立不可能性(incompatibility)
0. はじめに
1. 『観念の冒険』における二種類の両立不可能性
2. 『過程と実在』における二種類の両立不可能性
3. 両立不可能性と範疇的制約
4.本章のまとめ
  補遺
第七章 ホメロスを聴くオデュッセウス―ホワイトヘッドの芸術論と美の創造
0.はじめに
1. 日没と芸術:『科学と近代世界』における芸術の定義
2. 芸術・真理・美の定義
3. 「ホメロスを聴くオデュッセウス」イメージの解読
4. 本章のまとめ
第八章 「パターン」をめぐる考察―論理学・形而上学・美学の関係についての再検討―
0.はじめに
1. 「コントラスト」と「パターン」
2. 有機体の哲学における「パターン」と論理学
3. 残される美学の問題

結論
あとがき
参考文献

著者略歴

著:有村 直輝
1990年 鹿児島県生まれ 2021年 立命館大学大学院文学研究科博士課程後期課程修了 博士(文学) 現在 立命館大学人文科学研究所客員協力研究員 主要業績 「ホメロスを聴くオデュッセウス:ホワイトヘッドの芸術論における病理と治癒」、『立命館大学人文科学研究所紀要』、第114号、2018年。 「ホワイトヘッドにおける形而上学と論理学―-1924-25年の資料に基づく一考察」、『プロセス思想』、第19号、日本ホワイトヘッド・プロセス学会、2019年。

ISBN:9784771035775
出版社:晃洋書房
判型:A5
ページ数:232ページ
定価:3400円(本体)
発行年月日:2022年03月
発売日:2022年03月11日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QDHR