人はなぜ食を求めて旅に出るのか
フードツーリズム入門
編著:中村 忠司
他著:村上 喜郁
他著:王 静
内容紹介
食にあふれた日常の中で,人はなぜ食を求めて旅に出るのだろうか.
新型コロナウィルス感染症の拡大により食と旅は大きな傷を負ったが,人々が「食とは何か,旅とは何か」という問いを持つきっかけにもなった.
「食」は我々を遠い異国の地にまで引き寄せる力を持っている!
本書第Ⅰ部ではゲスト側の視点を中心とした「食と旅」について,第Ⅱ部では旅行者を迎え入れるホスト側の視点を中心とした「フードツーリズムと地域・産業」を具体的な事例とともに解説.
目次
はじめに
第Ⅰ部 食 と 旅
第1章 食をめぐる旅
─―他者のアイデンティティと異文化を味わう旅─―
1 フードツーリズムとは何か
2 フードツーリズムの定義と関連する用語
3 フードツーリズムの研究対象
4 フードツーリズムを構成する3つの力
第2章 食と地域,観光対象としての「食」
―─日本料理,郷土料理とご当地グルメ─―
1 フードツーリストが求める食の価値を考える
――観光学全般における「食」と観光実態――
2 フードツーリズムにおける観光対象としての「食」
3 フードツーリズムにおける食と地域
4 フードツーリストが求める観光対象
第3章 地域の日常と食が紡ぐ旅
――ベルリン,サン・セバスチャン,八戸――
1 私が旅に出る理由
2 ベルリンの地域の日常としての食を訪ねる
3 サン・セバスチャン世界一の食を訪ねる
4 青森県八戸 せんべい汁と横丁文化の街を訪ねる
5 地域の日常としての食が紡ぐ旅
第4章 中国茶愛好者の旅
――フードツーリズム概念の広がりに向けて――
1 フードツーリズム概念再考
2 茶の「土地」を楽しむツーリズム
3 茶の愛好者の旅
4 中国茶愛好者のツーリズムからフードツーリズムを捉え直す
第5章 旅の動機と行動をつなぐメディアと交通
――人は,なぜ「食べてみたい」「行ってみよう」と思うのか――
1 旅に出たい,食べたいと思うのはなぜか
2 旅とメディア
3 行ってみようをかなえる交通
4 フードツーリズムへの交通とメディアの貢献
第Ⅱ部 フードツーリズム_と_地域・産業
第6章 食による地域価値創造
――西宮市の都市文化と日本酒・スイーツを活かした旅――
1 西宮市における都市文化とフードツーリズム
2 日本酒・スイーツによるフードツーリズムの展開
3 新たなフードツーリズムの拡大
第7章 食のブランド化とまちづくり
――近江からの報告――
1 近江(滋賀県)独自の食文化について
2 甲賀地方(湖南・甲賀市)の杣人文化によるフードツーリズム
3 湖西地方(高島市)の鯖街道・京文化によるフードツーリズム
4 淡海文化が育む大津市,万葉文化と湖国が織り成すフードツーリズム
第8章 酒蔵による観光戦略
――海の京都の酒蔵を活かしたフードツーリズム――
1 酒蔵ツーリズムとは
2 酒蔵ツーリズム成功モデル「海の京都酒蔵巡り」
3 「海の京都」エリアの酒蔵とガストロノミー
4 海の京都酒蔵巡りの効果
第9章 フードツーリズムと観光地域創造
――泉州の事例から――
1 2025大阪・関西万博へ向けた食のムーブメント
2 泉州地域とその観光振興の概要
3 フードツーリズムを活用した観光地域創造と泉州での事例について
4 泉州のフードツーリズムの展望
第10章 これからのフードツーリズム
――地域アイデンティティ,産業の課題,「正しい」食を求める動き――
1 フードツーリズムと地域アイデンティティ
2 フードツーリズムと産業の課題
3 「正しい」食を求める動き
おわりに
索 引
ISBN:9784771035461
。出版社:晃洋書房
。判型:A5
。ページ数:186ページ
。定価:2000円(本体)
。発行年月日:2022年02月
。発売日:2022年02月02日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KNSG。