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考える手足

ALS患者と介助者の社会学

著:石島 健太郎

紙版

内容紹介

介助者たちは自身を何者と考えているのか。

障害者の手足たることを求められてきた介助者たち。しかし介助の臨床でいかに障害者と対峙するかは常に検討されている。
難病患者の在宅生活から、患者の意思と介助者たちの内省が織り合わされて生まれる現実を描く。

目次

はじめに

第1章 本研究の目的
 1.1  問題の所在――地域包括ケアシステムにおけるALS患者の生活――
 1.2  ポスト運動期における介助
 1.3  相互行為への照準

第2章 手足の淵源
    ――意味のアドホックな充填――
 2.1  本章の目的
 2.2  健全者組織の結成と拡大
 2.3  運動の混乱と手足の意味の変化
 2.4  日常への浸食

第3章 先行研究の検討
    ――介助者手足論とその相対化――
 3.1 本章の目的
 3.2 介助者手足論
 3.3 察して動く自動の手足
 3.4 他者としての介助者
 3.5 関係の揺らぎへの照準
 3.6 障害者の家族を捉える視角

第4章 対象と方法
 4.1 対象とその適切性
 4.2 調査の方法と概要
 4.3 調査協力者の一覧

第5章 患者と介助者(1)
    ――自動と手動のあいだ――
 5.1 本章の目的
 5.2 自律性の獲得
 5.3 家族への配慮による自制
 5.4 小 括

第6章 患者と介助者(2)
    ――手足でないことの維持と手足への回帰――
 6.1 本章の目的
 6.2 分析視角
 6.3 介助者による制限への気付きと対処
 6.4 手足に戻る介助者
 6.5 手足に戻らない介助者はいかにして可能か
 6.6 小 括

第7章 家族の認識
    ――家族からみた介助者と患者の関係――
 7.1 本章の目的
 7.2 接近する家族と介助者
 7.3 家族と介助者の境界付け
 7.4 小 括

第8章 家族の実践
     ――患者と介助者の関係を後ろ盾として――
 8.1 本章の目的
 8.2 家族への介助規範の作動
 8.3 介助者への認識が可能にする家族の実践
 8.4 患者との利害調整
 8.5 小 括

第9章 結 論
 9.1 本研究の要旨
 9.2 本研究のインプリケーション
 9.3 本研究の限界と今後の展望

著者略歴

著:石島 健太郎
帝京大学文学部社会学科講師

ISBN:9784771034266
出版社:晃洋書房
判型:A5
ページ数:232ページ
定価:3100円(本体)
発行年月日:2021年01月
発売日:2021年01月20日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JKS